コロナの制限が解除され、4年ぶりに各地で人出が賑わうGWが終わった。東京では浅草やスカイツリーなどと並び、上野動物園のある上野も人気観光スポットにランクイン。だが、昼間の賑わいとは裏腹に「夜は人通りが少ないので気をつけてほしい」と地元住民が注意喚起するのが、上野エリアの繁華街・湯島なのである。
昔はホテル街の印象が強かった湯島は、コロナ禍を経て激変した。元々あったホテルや飲食店の隙間を埋めるように中国、韓国、ベトナム、タイ、フィリピン系のスナックや飲み屋が乱立。中にはまっとうな店もあるが、ぼったくり店が多いのが特徴だ。上野の飲食店関係者が言う。
「最も被害が多いのは、中国人スナックでのぼったくりです。客の酒に睡眠薬を混ぜて酩酊させ、目が覚めたら女の子が飲んだといって高額な料金を請求します。少し前までは酩酊した客を路上に放置していたのですが、数年前に死亡者が出たことで、警察の目が厳しくなりました。最近はカネをむしり取ったら、しっかりとタクシーに乗せて帰らせる。この地域に詳しくない客であれば、ぼったくられた店がどこにあるのかも覚えていない、というわけです」
そのため被害に遭っても警察にも行けず、事件化しづらいという。
「中にはこんな手口もあるんですよ」
と明かすのは、地元スナックのママだ。
「お客さんが近くの居酒屋で飲んで、フラフラ歩いていたそうです。トイレに行きたくなったので路上で用を足していると、中国人の客引き2人組が近づいてきて『店に来て~』と抱きつかれたそうです。お客さんが断るとすぐに去っていったのですが、財布の中から現金が根こそぎなくなっていたのだと…」
客引きが抱きついて財布などを盗む「抱きつきスリ」は、海外ではよくある手法だ。せっかくの酒席が台無しにならぬよう、見知らぬ夜の街には十分に注意すべきなのである。