5月12日、東部ルガンスク州を支配するロシア側行政府「ルガンスク人民共和国」にミサイルをブチ込み、州都ルガンスク市内の工場2棟を破壊。ゼレンスキー大統領の宣言通り、いよいよウクライナの反転攻勢が本格化する様相を呈してきた。
プーチン大統領は、5月9日の戦勝記念日に「われわれの祖国に対し、再び本物の戦争が開始された」として、これまで用いていた「特別軍事作戦」から、初めて「本物の戦争」という表現を用い、戦争に勝つためならどんな手段も辞さないという強硬な態度を、改めて内外に示した。そこで俄然、信憑性が高まってきたのが、プーチンによる戦術核使用だ。
「米情報機関によれば、現在、ロシアが保有する核弾頭のうち、1588発が地上や航空機、潜水艦などに配備されている。戦術核はいつでも使用可能な状態にあるといわれています。しかし、ウクライナ中南部にあるザポリージャ原発がロシアの管理下にある以上、プーチンがブチ切れて、最悪のケースとしてこれを爆発させれば、被害はチェルノブイリの10倍にもなる。科学者の間では、死の灰の中で生き残るのはおそらくゴキブリだけだろう、と言われています。つまり、周辺は数百キロにわたり、ゴキブリが支配する街になる可能性が高いのです」(核問題に詳しいジャーナリスト)
よく「核戦争と人類滅亡」をテーマにしたSF小説や映画の中では、朽ち果てた廃墟で元気に動き回るゴキブリの姿が登場するが、実はこれにはきちんとした裏付けがある。科学ジャーナリストが語る。
「事実、原爆が投下された広島と長崎で『ゴキブリを見た』という報告があります。かつてアメリカの人気ドキュメンタリー番組『Discovery Channel』が行った、ゴキブリに対して1000rad、1万rad、10万radという3種類の放射線量を照射する科学的検証実験においては、人間が10分で死に至る放射線量1000radでも、半数のゴキブリは生き残り、1万radで10%が生存。全てが死んだのは10万radだった、との結果が出ました。核戦争で人類が滅亡しても生き残っている可能性がある、との推論が裏付けられました。近年は殺虫剤への耐性を持った『スーパーゴキブリ』も出現しているといいますからね。これらのゴキブリは通常の種類よりも生命力が強いわけですから、核戦争後に生き残る確率は、はるかに高くなることが想定されます」
昨年10月に配信された「ゴキブリが核戦争をも生き延びる理由」と題するニューズウィーク誌の記事でも、ゴキブリ研究の第一人者であるロンドンの昆虫学研究者ポール・エッグルトン氏が、次のように述べている。
「ゴキブリは哺乳類より放射能の影響を受けにくい。細胞は分裂する時に放射線のダメージを受けやすいが、昆虫は細胞周期が長い。哺乳類の細胞に比べて分裂の頻度が少ないので、突然に大量の放射能を浴びても、影響が少ない」
前出の科学ジャーナリストがあとを引き取って言う。
「ゴキブリが地球上に出現したのは、およそ3億年前。これは人類の祖先が現れたと言われる約20万年前の1500倍以上前のことです。その後、彼らは地球上で発生する様々な環境変化に耐え、しかもほとんど姿形を変えず生き延びてきました。これが核戦争後もゴキブリだけが生き残る、とされる理由です」
ゴキブリ地獄の訪れを阻止するには、プーチンに核ボタンを押させないことだ。
(ジョン・ドゥ)