巨人の秋広優人が躍動している。5月18日のヤクルト戦では2回、サイスニードから三塁打を放ち、6回にも大西広樹のチェンジアップを右中間に弾き返し、二塁打。5打数2安打で打率を3割5分3厘にまで上昇させ、ヤクルト3タテに貢献した。球界OBが語る。
「打率もさることながら、得点圏打率6割4分3厘と、驚異の勝負強さ。4月18日に1軍に昇格してからは、打席での構えが少し前傾姿勢になる形に変わっているように見える。持ち前の器用さで内角をさばきつつ、外の球もとらえられるスタイルで、ミート率が高まった。それが今はしっくりきているのだろう」
プロ3年目の秋広は、1年目の1軍出場が1試合1打席のみで、昨年はゼロ。今季も春季キャンプでは1軍に帯同していたものの、開幕は2軍スタートだった。
5月18日の読売新聞オンライン版では、1軍昇格後の秋広の活躍ぶりを報じた上で、これまでの経緯を振り返っている。「春季キャンプでは、実戦に入ると首脳陣からの助言を整理できなくなり、調子を落としてファーム再調整に」と説明した上で、形にこだわり過ぎて打撃が崩れていたことを、二岡智宏2軍監督が指摘したという。2軍、3軍の試合で、30打席限定で自由な形で打つように指導。この期間が有意義だったとしているのだが、注目すべきは、巨人の親会社である読売がそう明かしていることだ。スポーツ紙デスクの話。
「『首脳陣からの助言を整理できなくなり』は、原監督体制に対する批判ともとれる。要は秋広にあれやこれやと口を出して若手の成長を妨げた首脳陣を、バッサリやっている。一方で二岡2軍監督を持ち上げているのも気になる点で、現体制の阿部慎之助ヘッド兼バッテリコーチを除けば、彼と近い関係にあるのは高橋由伸前監督と松井秀喜氏。読売サイドが描く『ポスト原』構想が見え隠れします」
秋広の覚醒が、読売にとって好材料となったか。