シーズン序盤にして早くも中日・立浪和義監督(53)は正念場を迎えている。どれだけ投手が抑えようが、打線がダンマリを決め込んでしまえば勝てるわけがない。この深刻な“貧打病”を治療するべく、ついに球団がウルトラCの秘策を打ち出そうとしている。
まるで貧乏神に取り憑かれているかのようだ。5月17日に阪神に敗れた時点で借金は11となり、今季のワースト記録を更新。昨季同様、Bクラスが定位置になりつつある。2年目を迎えた立浪ドラゴンズを包む重苦しいムードをスポーツ紙デスクが解説する。
「投手と野手は一触即発の状態です。開幕早々にエースの大野雄大(34)が離脱しましたが、柳裕也(29)や小笠原慎之介(25)を柱にする先発ローテーションは盤石。祖父江大輔(35)や清水達也(23)ら勝ちパターンのリリーフ陣も大崩れしない。その証拠に、チーム防御率は2.81(5月17日時点・以下同)とリーグ2位の高水準を維持しています。ところが、打撃成績はセ球団で最低クラスの数字が並ぶ。先発陣の口からは『完封しなきゃ勝てない』という嘆き節ばかりが聞こえてくる状態です」
チーム打率こそ2割4分2厘でリーグ5位だが、11本塁打と94打点はダントツで最下位だ。好投するピッチャーの足を、野手が総出で引っ張っているわけだが、ここまで極端な投高打低に陥った一因は指揮官にもあるようで、
「立浪監督が打撃コーチを差し置いて指導してしまうのが災いしている。昨オフにトレードで放出した京田陽太(29)は一番の被害者ですよ。変にフォームをイジられたのが打撃の調子を崩す原因になりました。21年ドラフト1位のブライト健太(24)も“奇想天外”な練習を課せられて混乱した1人。昨年の秋季キャンプで、体の開きを抑えるために腰回りにバスマットを装着して打撃練習をさせていたが、果たして効果があったのか不明です」(前出・スポーツ紙デスク)
そんな暴走体制に待ったをかけるべく、球団はあるテコ入れに動いていた。球界OBが耳打ちする。
「シーズン途中に清原和博氏(55)を臨時コーチに招聘する案が進行しています。チームの喫緊の課題は長打力アップにほかならない。両翼が広くてフェンスの高いバンテリンドームが本拠地とはいえ、ホームラン数が少なすぎますからね。同じ右の大砲の石川昂弥(21)や鵜飼航丞(23)の成長にも一役買ってくれるでしょう。しかも、PL学園の2学年先輩を前にすれば立浪監督も簡単には出しゃばれない。もはや、独断専行を止められるのはキヨしかいないというわけです」
事実、ウルトラCの実現に向けたハードルも高くはない。
「20年に覚醒剤取締法違反の執行猶予が満了。この時点で、12球団で中日だけが『禊は済ませた』というスタンスだった。その最たる例が22年と23年の春季キャンプ訪問でしょう。コンプライアンス意識の高い白井文吾名誉オーナー(95)が実権を握っていればストップがかかるのでしょうが、数年前から隠居状態に等しい。また、人気選手のいない中日にとっては興行面でも清原氏は“戦力”になる。それだけに、まずは臨時コーチ、そこからオフに入閣する可能性も否定できません」(前出・スポーツ紙デスク)
果たして、話題の大物コーチ加入で低迷期を脱出できるか。