女性の社会進出の障壁となっているのが育児支援の不備だ。保育所の待機児童問題、産後うつなど母親へのケア不足‥‥数え上げればキリがない。
だが、芸能界に障壁はないのか。産後にスピード復帰する女優が年々、増えている。15年8月に第1子を出産した上戸彩(37)は、同年12月の生放送で仕事復帰。同じく8月に出産した菅野美穂(45)も約4カ月で現場復帰している。その後、女優の出産・育児休暇はより短縮され、山田優(38)や北川景子(36)は、出産からわずか2カ月間しか休まなかった。
「ネットでは『子供がかわいそう』とか、『産後の肥立ちが心配』という声が上がりました。会社員の育休期間は3カ月~6カ月が最も多く、それと比較すれば、確かに2カ月は短いわけで、心配する声が上がるのはうなずける。それにしても、『お金があるんだから、働かなくてもいいでしょう』と批判の的にされてしまった」(女性誌編集者)
非難されながらも、なぜママ女優たちは復帰を急ぐのか。それぞれが裏事情を抱えている。例えば、昨夏に出産した女優Aの場合。
「正式発表はされていませんがNHKの朝ドラに出演するため、すでに復帰して大阪に子連れで出張しています。朝ドラ『まんぷく』で安藤サクラ(37)が子供同伴で撮影をした前例があります。今回も局内の託児所に子供を預ける形がとられるようで、Aは必死に我が子専門のベテランベビーシッターを探して、そこに常駐してもらうことになりました」(NHK関係者)
苦もなく現場復帰できたわけではないのだ。昨春に出産し、すでにMCとして復帰しているIも同じで、
「産後初の連ドラ復帰が決まったそうで、主演ではありませんが、夏にも撮影がスタートするそうです。当初はドラマや映画は拘束時間が長いので、バラエティー番組中心と考えていたようです。でも、女優としての焦りが出たようですね。『自分の替わりはいくらでもいるんじゃないか』と‥‥」(芸能プロ関係者)
芸能人も自営業者である。華やかな世界とはいえ、そこは人気商売だけに、露出が減れば悪影響が出る。
「休業が長くなると人気だけでなく、ギャラも下がる。忘れられれば、仕事がなくなるリスクもあり、不安は尽きないのです」(前出・芸能プロ関係者)
今年中に出産予定の女優Tも、産後のスピード復帰が見込まれている。
「目立ち始めたおなかを隠しながら仕事を続け、今もインスタを更新するなど、産後の復帰への準備を怠っていません」(民放局関係者)
役者と妻、そして母親と三役をこなすママ女優たちの苦労は絶えない。