今年4月、米国防総省が未確認飛行物体(UFO)を調査する「全領域異常対策室」により、UFOを含む未確認空中現象についての報告がなされたが、追跡調査を進めている案件が計650件以上あることが明らかになり、世界中のUFOファンを沸かせたことは記憶に新しい。
対策室の発表によれば、未確認飛行物体の目撃情報は、アメリカ西海岸と東海岸、中東、南シナ海に集中し、約52%が円形か球体。現段階では、宇宙人の活動を裏付ける証拠は見つかっていないものの、その可能性を完全否定するには至らなかったという。
周知のように、アメリカは「UFOの本場」。そのため、目撃情報もダントツに多い。UFOを目撃するため、世界中から多くの旅行者が訪れるのが、ネバダ州の砂漠にある空軍基地「エリア51」だ。UFOウォッチャーが解説する。
「エリア51は、ラスベガスの北西約130キロに位置しています。通称『パラダイスランチ』『レッドスクエア』と呼ばれる砂漠の中にある、現役の米軍基地です。もともとは、近くにあるグルーム湖でとれる銀や鉛の採掘が行われていた場所で、戦争中には米軍の核や武器実験場として使用された。冷戦後、CIAがスパイ偵察機の開発を始め、ここに飛行場と本部を建設。米原子力委員会がこの基地を既存のネバダ核実験場の地図に追加し『エリア51』と名づけたといわれます」
そんなエリア51とエイリアンやUFOとの関わりがクローズアップされたのは、1989年のことである。航空機エンジニアのボブ・ラザール氏がローカルニュース番組で「自分が基地で働いていた時に、エイリアンの宇宙船のリバースエンジニアリングを手伝ったことがある」と証言。「エリア51には宇宙船がある」との陰謀説が一挙に広まったとされる。前出のUFOウォッチャーが、さらに踏み込んで言う。
「実際にこの基地からは新型のスパイ偵察機などが頻繁にフライトしていたことがあり、一帯では未確認飛行物体の報告が急増していたようです。ただ、エリア51はまだ現役基地であるため、作業内容も含め、現在も詳細は機密扱い。基地内で何が行われているかは何十年もの間、憶測の域を出ていないのが現状です。そうしたことから『銀河系の訪問者がどこかに隠れている』『実はアポロ11号による1969年の月面着陸は、アメリカ政府がエリア51内の格納庫で撮影した』というトンデモ論が数々あり、観光客があとを絶たないのです」
基地が一般に公開されるようになるまでは、少なくともあと数十年はかかるとされる、エリア51。はたして中からは何が出てくるのか…興味は尽きない。
(ジョン・ドゥ)