さて、阪神にとって“天王山”となるのは9月9日から甲子園で行われる巨人との直接対決だ。そんな重大な決戦を前に、今季3年契約が満了する和田豊監督(52)について、南球団社長が「来季続投が基本方針」と明言した。すると、そのせいで選手の士気が下がっているというのだ。
「思えば、05年に岡田監督(当時)でセ・リーグを制覇した際は、岡田監督と金本、赤星、関本、藤本らレギュラーメンバーとの信頼関係が強固だった。左手を骨折していた金本が『選手生命が短くなっても、監督を胴上げする』と出場を直訴したこともありました。それと比較すると、和田監督と今の選手たちの関係は、昨年の“不倫騒動”もあって冷えきっているんです」(在阪スポーツ紙記者)
ここまで状況を悪化させたのは、繰り返される和田監督の不可解な采配だ。
「6月の楽天戦、9回表を終了した時点で3対0と勝利していた。そのため、本来なら守備面に不安のあるマートン(32)を下げて守備固めの俊介(27)を起用する場面でした。ところが、まったく動かず、直後に楽天・後藤が放ったタイムリーヒットがマートンのグラブをかすめて逆転の口火を切られる始末で、まさかのサヨナラ負けを喫しました。和田監督は試合後に『流れを変えたくなかった』と力なく答えていましたが、シーズン終盤までこの調子で、優柔不断な采配にはナインが白い目を向けている。来季の入閣が有力視される、掛布雅之氏の監督待望論が噴出するばかりです」(スポーツ紙デスク)
まとまらない時期こそ、若い力の台頭がチームに勢いをつけるものだが、そんな期待のかかる藤浪晋太郎(20)が大失速中だ。
「大事な8月のゲームでまさかの3連敗。昨年も夏場に調子を落とすなど、スタミナ面に不安を抱える藤浪に対して、首脳陣は昨オフに『もっと走り込みをしろ!』と厳命したのですが、これを無視して同じ過ちを繰り返しています。高校時代から素質だけでプレーできただけに手抜きグセがあったのですが、まさか優勝を左右する時期に影響するとは‥‥」(スポーツ紙デスク)
まだ逆転優勝の望みが潰えたわけではないのに、米大リーグ・アスレチックス傘下の中島やオリックス・平野の獲得など、ストーブリーグの話題も目立ってきている。チームに動揺を与える情報の氾濫に、エース・能見篤史(35)はピリピりし、「マスコミには試合のことをしっかり報じてほしいです」と苦言を呈しているという。そんな状況がピッチングにも影を落としているのか。
外野の声が騒がしく、選手たちは“一戦必勝”の気持ちになりきれていないようで‥‥。
「13年に3年総額6億円で大型契約を結んだ福留孝介(37)は、契約を1年残しているにもかかわらず、もはや不良債権化。西岡剛(30)も今季序盤に負ったケガの影響が響き、出場機会が激減。一昔前の巨人のようにFAでビッグネームを獲得し続ける球団のやり方に、生え抜きのチームリーダー・鳥谷敬(33)は『若手の育成に力を入れるべき』と話す一方で、自身もメジャーに飛び出そうかと考えているといいます」(在阪スポーツ紙記者)