今、いわゆる「Z世代」などの若者たちの間でシーシャ(水タバコ)の人気が高まっている。中でも激戦区は東京・歌舞伎町で、15軒以上ものシーシャ専門店が軒を連ねている。だが、街中のシーシャ専門店を訪ねると、若者だけではなく、中高年層の利用者も多く見かける。週1回のペースでシーシャ専門店に通う40代の会社員が言うには、
「シーシャが目的ではなく、タバコを吸うのが目的です。都内の飲食店は今、ほとんどが禁煙で、喫煙可能店でも喫煙スペースのみ。しかも感染予防対策で利用人数は2人までだとか、並ばないといけないことも。シーシャ専門店なら、席でゆっくりタバコが吸える。これがいいんですよね」
これには令和2年1月に改正された、東京都受動喫煙防止条例の全面施行が背景にある。飲食店、喫茶店においては原則として屋内禁煙とされ、喫煙室を設ける場合は省令等で定める要件や基準を満たさなければならない。シーシャはタバコの一種であるため、開業にあたっては、一般的なタバコを取り扱うのに必要となる免許や許可の取得が必要となる。そのため、店内での喫煙が可能となっているのだ。
一方では、こんな声も。
「仕事の打ち合わせでシーシャ専門店を利用することがあります。これまでタバコを吸わない人と打ち合わせする際には、禁煙の店を選んでいました。でも、自分が喫煙者なので、途中でニコチンが切れてイライラしてしまうことがありましたね。シーシャ専門店なら流行っているし、非喫煙者でもノンニコチンのフレーバーを楽しむことができる。料金は2000円から3000円程度だし、喫茶店のように長居しても気を遣うこともないので、おすすめです」
喫煙者にとっては肩身が狭い世の中。シーシャ専門店がそんな人達の、憩いの場になっているのだ。
(カワノアユミ)