心霊物件の寿命は決して長くない。問題が起きるのを避けて、すぐに取り壊されることが多いからだ。かつては有名な心霊スポットだった場所が、今はもう更地になっているということは珍しくない。だが、解体されることなく40年にもわたって人々を恐怖に落とし入れている最恐物件が福島県にある。1984年に閉鎖されたホテルだ。
県道を上っていった先にあるそのホテルは、1970年前後に開業。5階建ての立派な建物で温泉とプールもあり、スキー客や避暑目当ての客で賑わった。だが、閉鎖されると、「経営難で精神に異常をきたし、自ら死を選んだオーナーとその家族の霊が出る」「火事で亡くなった子どもの霊が出る」との噂が立ち、さらに「大浴場に書かれているお経(探訪者が書いたものと思われる)を見ると精神が崩壊する」「大広間で複数の霊を見る」という話まで持ち上がった。
そんなエピソードよりも恐ろしいのは、今もしばしば不審火に見舞われることだとオカルトライターは言う。
「昨年6月、午前7時すぎに火災が発生。2階と4階の10部屋が焼けました。この火災で不思議なのは、火災が発生した部屋が隣同士ではなく点在していることです。警察は放火の可能性もあると見ているようですが、そうであれば10部屋に火をつけてまわったことになる。まともな人間のやることではありません。5月にも不審火が2件発生しています。こんなに立て続けに火災が起きる心霊スポットもなかなかありません」
火災によって建物の取り壊しを望む声も上がったが、作業は行われていない。
「地元の人によると建物の所有者がはっきりしないので、取り壊すことができないそうです。もう40年も解体されずにいますし、人里離れたところにあるのでこのまま放置されるかもしれませんね」(前出・オカルトライター)
だからといって訪れるのはやめたほうがいいだろう。建物が老朽化し、崩落の危険性が指摘されている。