ロシアの民間軍事会社ワグネルの反乱によって、ロシア国内が内戦に発展するかと世界が緊張した6月24日、一人だけ呑気な生活を送っていた指導者がいる。日本の岸田文雄総理だ。
6月24日の動静を見ると、岸田総理は午前9時半すぎに公邸を出発した。市ヶ谷の防衛省に緊迫した情勢を聞きに行ったのかと思いきや、神田鍛冶町の「ヘアモードキクチ神田日銀通り店」に入り、2時間近くかけて入念に散髪した。
公邸にいったん戻った後、午後0時半に再び外出。今度こそ防衛省に行くのかと思ったら、そのまま通り過ぎ、西新宿へ。東京都庁内の大規模接種会場で、新型コロナウイルスのワクチンを接種した。1時過ぎに出発し、公邸に戻ったが、その後に報告に訪れる政府当局者はなく、公邸はひっそりとしていた。
岸田総理は忘れているかもしれないが、日本はまだ先進7カ国首脳会議(G7サミット)の議長国である。ワグネル騒動を受けて、欧米はそれぞれ個別に会談していたが、岸田総理がアメリカやフランスの大統領と電話会談することすらなかった。これだけ世界が動いている日に、議長国としての責任を放棄していると批判されても仕方がない行動である。岸田総理にとってのサミットは、地元広島で行った5月の会議で終わっているようだ。
6月25日になってようやく、岸田総理は国家安全保障局(NSS)や外務、防衛両省の幹部から報告を受けたが、たったの25分。広島サミット開催や日韓関係の改善で内閣支持率は一時的に上昇したが、国際社会が激変する時に能動的に動こうともしない岸田総理は、馬脚を露わすことになったのである。