「マイナビオールスターゲーム2023」のファン投票最終結果が6月28日に発表され、セ・リーグでは阪神勢が9部門11ポジションのうち10人が選出される独占状態となった。
阪神以外から選出されたのは、外野手部門2位の広島・秋山翔吾ただひとり。6月27日現在の打撃三冠、投手三冠部門の1位選手がひとりも選出されないという結果になっている。スポーツ紙デスクが言う。
「阪神は今季、3・4月を13勝10敗で首位DeNAから3ゲーム差の2位につけると、5月はチームの月間最多勝利のタイ記録となる19勝(5敗)でトップを独走。一時は2位DeNAとのゲーム差を6.5まで広げました。阪神ファンはチームの調子がいい時は、オールスターファン投票で積極的に投票しますからね。セ・パ交流戦で調子を落としましたが、ファン投票では全部門トップを守りきった形です」
阪神勢の「オールスタージャック」といえば、思い起こされるのは2003年。星野仙一監督で18年ぶりのリーグ優勝を果たした年だ。この時も今年と同じく、序盤から首位を独走。ファン投票では投手部門を除く6部門で8選手を阪神勢が占めた。
「先発投手部門で選出されたのは、中日の川崎憲次郎でした。2001年にヤクルトからFA移籍しましたが、ケガで3年間、1軍出場なし。『川崎祭り』と言われる嫌がらせを受け、1軍出場がないままファン投票で選出されてしまうという結果になりました。川崎は出場を辞退し、2位の阪神・井川慶が繰り上げ選出となりました」(前出・スポーツ紙デスク)
今年の阪神勢では、03年の川崎ほどではないが、抑え投手部門の湯浅京己と、三塁手部門の佐藤輝明が、成績不振で2軍落ちしている。オールスターまでに1軍復帰し、本来の力を発揮するようになれば問題ないだろうが、2軍でくすぶったままでは、出場辞退ということになるだろう。
なお、選手間投票、監督推薦、プラスワン投票を経て出場全選手が出揃うのは、7月14日の予定である。
(石見剣)