7月19、20日に開催されるプロ野球「マイナビオールスターゲーム2023」の出場選手を決定するファン投票の結果が6月28日に発表された。
セ・リーグは、阪神タイガースの選手が全9部門でトップに立ち、計10人の選出が決定。また、外野手部門の近本光司は、76万9587票を集め、両リーグ通じて最多得票となった。
同一球団の全部門1位は1978年の日本ハム、83年の巨人以来。過去の同一球団ファン投票最多選出は2003年、阪神の7部門9人で、今回の10人は史上最多。外野部門は3人が選出されるため2位にはかろうじて広島カープの秋山翔吾が名を連ねたが、他球団からはゼロだった。
いくら人気投票とはいえ、阪神が全部門を独占する異常事態に、ネット上では早くもシラケた空気が流れているようだ。
スポーツライターが語る。
「阪神ファンにとっては万々歳の結果となりましたが、セ・リーグの他球団ファンは当然、面白くない。実際には監督推薦や選手間投票で他チームの選手も出場することになりますが、三塁手の佐藤輝明や抑え投手部門の湯浅京巳は2軍で調整中。捕手部門選出の梅野隆太郎は打率1割台、外野手部門3位のノイジーも打撃低迷中。虎党以外がシラけるのも無理はありません」
一方、この状況に最も戸惑っているのは、岡田彰布監督かもしれない。
「監督は喜ぶわけでもなく『(投票の)時期がよかったからかのう。一番ええときやった…』としていましたからね。確かにファン投票受付時は阪神が首位独走かと言われていた時期とも重なり、下り坂の現状とは違っていた。岡田監督としては球宴時に選手に休養をとってもらいたかったところでしょうが、そうもいかなくなりましたからね」
岡田監督には2008年、2位に最大13ゲーム差をつけながら巨人に逆転優勝を食らった苦い経験がある。ファン投票での球宴ジャックは選手にとって嬉しいことだろうが、監督としてはさらなる大失速のきっかけにならないことを願うばかりだろう。