米ツアー7年目で米通算7勝を誇る日本のエース・畑岡は、今季、予選落ちこそないものの、世界ランクは下がり続けている。
「パットの調子がイマイチで、11試合のうちトップ10入りが3回と寂しい。ただ、18年の『全米プロ』は2位タイ、昨年の『全英女子オープン』では7位と大舞台に強く、悲願のメジャー制覇に期待ですね」(スポーツ紙デスク)
注目の3番手は米女子ツアー2シーズン目の古江彩佳(23)=同18位=だ。先日の「全米女子プロ」は笹生と2打差の8位タイ。今季ツアー14戦中ベスト5入りが5試合と安定感は抜群で、世界ランクでも日本人のトップに初めて躍り出た。
「身長153センチと小柄で『ゴルフは飛距離じゃない。ショットゲームとパット』を体現している。全米プロでは最終日に2位の笹生と同じ『66』をマーク。一時、首位に1打差に迫ったけど、天候による中断後にボギーを連発。今回も風に翻弄されずに自分のゴルフに徹すれば、最もおもしろい存在だろう」(宮崎氏)
昨年のメジャー5戦は3度の予選落ちを味わっているだけに、その悔しさをぶつける活躍に期待したい。
では、19年の全英女子プロを制した渋野日向子(24)=同54位=は、どうか?
6月の「宮里藍サントリー・レディス」では、2年ぶりに国内2戦連続で予選落ちを喫した。
「今季の米ツアーこそ、フォーム改造で復活し、予選落ちはありませんが、国内ツアー初戦となった5月の『ブリヂストンレディス』の初日、まさかの5オーバーで出遅れ。心配され続けている左手首については『先に治せよと思う部分はありますが‥‥』と話し、長期欠場を否定していたし、試合後にはファン100人以上にサインをしていたので、その後の展開にビックリしています」(スポーツ紙記者)
報道陣を驚かせたのは、それから2週間後の「サントリー・レディス」の初日だった。
「2アンダーの24位でフィニッシュしたあと『バレるわな。親指、出とるやん』と笑い飛ばしていましたが、この時期のグリップ変更はマレなことだけに、周囲はザワつきました」(スポーツ紙記者)
渋野が突然、グリップを「インターロッキング」(左手人さし指と右手小指を絡める)から「テンフィンガー」(左右の指を絡めない)に変更した理由は、左手親指付け根の炎症にあった。ゴルフ協会関係者が振り返る。
「別名、ベースボールグリップと呼ばれ、バットを10本の指で握るスタイル。激痛が走る親指付け根への負担軽減策ですね。職業病とも言えるが、選手生命のピンチになるケースも。あの丸山茂樹プロが悩まされ続けた一方、ベースボールグリップに変更して好成績を残すプロもいる。ただ、涙をこらえながら『練習してモノにしないと』と気丈に話す渋野の姿からは、深刻さが伝わってきた」
1日も早く“しぶこスマイル”を取り戻してほしいのはファンの願いだろう。