どれだけ大金を積まれようが、スペインでの成功を目指す意思は変わらないようだ。
同国のレアル・ソシエダMF久保建英が、サウジアラビアからの巨額オファーを拒否したとして大きな注目を集めている。
昨夏、マジョルカからレアル・ソシエダへ完全移籍を果たし、ラ・リーガで9ゴール7アシストというキャリア最高のシーズンを過ごした久保。イタリア出身の世界的ジャーナリスト、ファブリツィオ・ロマーノ氏が選ぶ「今季最高の移籍ランキング」では、バルセロナFWロベルト・レヴァンドフスキ、アトレティコ・マドリーDFナウエル・モリーナに次ぐ3位に選ばれるなど、着実にその評価を高めている。
そんな久保に対し、巨費を投じるクラブも現れた。スペイン紙「As」や現地放送局「Cadena SER」が報じたところによれば、オイルマネーで潤うサウジアラビアのアル・ヒラルから、「年俸4000万ユーロ(約63億円)の4年契約、総額にして1億6000万ユーロ(約252億円)」が提示されたというのだ。現地メディアはこのオファーを「拒否しがたい誘い」と伝えたが、久保の意思は揺らがず、考慮するまでもなく残留の道を選んだと報じている。
スポーツライターが語る。
「22歳の久保にとって来季が選手として大きな山場を迎えることは間違いありません。自らの活躍によって出場権を手にした欧州チャンピオンズリーグの舞台は、かねてより夢と公言してきました。また、現在はサッカー最前線であるスペインでの挑戦以外は眼中になく、イタリア・ナポリからのオファーにも全く耳を貸さなかったといいます。『As』も『久保にとって金銭は優先事項ではない』としており、250億円ものオファーを一蹴した若き日本人MFについては、ネットからも『さすが久保。その姿勢が素敵』『心が揺らいでもおかしくない金額だけど、しっかりと自分の軸がブレない久保は素晴らしいと思う』などの賞賛が上がっています」
目がくらむようなオファーにも惑わされず、来季もソシエダでのチャレンジを決めた久保。欧州の舞台での活躍を見せる事ができれば、いよいよワールドクラスのアタッカーとして認知される日も近いといえそうだ。
(木村慎吾)