河野太郎デジタル相といえば、風力発電など再生可能エネルギーの旗振り役として知られるが、ノルウェーで展開されている、風力発電に関する抗議活動には驚くことだろう。というのも、抗議デモに参加しているのが、スウェーデンの著名な環境活動家グレタ・トゥンベリさんだからだ。
グレタさんは2月27日、北欧の先住民族サーミがトナカイを放牧する牧草地での風力発電開発に対する抗議活動に参加した。反対する人たちは、風力発電機の巨大な姿と、その音がトナカイに恐怖を与え、トナカイ放牧で暮らすサーミの権利を侵害していると主張している。グレタさんは2度にわたり、ノルウェーの首都オスロの警察当局に一時的に拘束された。
ノルウェーの最高裁は150以上の風力発電機がサーミの権利を侵害している、との判決を21年に出したものの、現在も稼働中だ。
福井県立大学の島田洋一教授(国際政治学)は、環境問題に熱心な河野氏を「河野グレタ郎」と揶揄してきた(河野氏は島田氏をブロック)。もっとも、島田氏はグレタさんが最近、原発擁護の発言をしていることを受けて、脱原発派の河野氏とは違うとして「河野グレタ郎と呼んだことはグレタさんに失礼だった」と述べている。
今も自民党の再生可能エネルギー普及拡大議連の顧問を務める河野氏は、グレタさんの動きをどう見るだろうか。いや、聞かれても「所管外」を繰り返すのだろうが。