今週から東西ともに舞台を移し、東は「毎日王冠」が東京で行われる。比較的堅めで収まるレース傾向の中、万券王・水戸はダイワマッジョーレを穴馬に指名した。一方、西の「京都大賞典」は、牝馬メイショウマンボに注目!
関東圏は3開催(秋開催1回は中山競馬場スタンド改築に伴う代替競馬)続いた新潟競馬が閉幕。今週からの東京競馬開催となって本格的な秋競馬を迎えるが、その第1弾は天皇賞の前哨戦、毎日王冠である。
今年もまた顔ぶれがいい。開幕週で馬場状態がいいことからレコード決着になることも少なくなく、例年のように見応え満点の白熱した競馬が展開されることだろう。
00年以降、14回を振り返ってみようか。牝馬の参戦が少ないこともあるが、よく連対を果たすのは充実期にある4、5歳牡馬。
今回のメンバーでいうと、人気になるであろう、スピルバーグ、ディサイファ、ワールドエース(以上5歳牡馬)に、ロゴタイプ(4歳牡馬)は、穴党といえども軽く見るわけにはいかないか。
それから、ここ数年の傾向だが、3歳馬の活躍がやたら目立つ。今回ではウインマーレライとロサギガンティアだが、ともに春のクラシック戦線で活躍してきた存在。要注意馬だ。
馬券的にはどうだろうか。馬単が導入された02年以降を見てみると、その馬単で万馬券が飛び出したのは5回(馬連では2回)。特に荒れるわけではなく、GI級の馬が顔を連ねることからも順当に収まるケースが多い。
しかし、一線級のメンバーとはいえ、GIを勝っているのはロゴタイプ(朝日杯FS、皐月賞)のみ。このところ精彩を欠いていることもあり、全幅の信頼を寄せ切れない。
ならば、ワールドエース(皐月賞2着、ダービー4着)が最有力候補。続いて3歳馬のロサギガンティアということになろうか。
ワールドエースは、この春のマイラーズCで驚異的なレコード勝ちを収め、健在ぶりを見せつけたが、早くからここ目標に順調そのもの。ロサギガンティアも同様で、1週前追い切りでは、すばらしい動きを披露していた。
であれば、この両馬のいずれかから入るのが馬券の筋論となるが、それでは穴党としておもしろくない。
期待を寄せたいのは、ダイワマッジョーレだ。こちらも昨年のGIマイルCSで小差2着があり、格からいって見劣りしない。それでも評価がイマイチ低いのはマイラーと見られ、そのマイル戦の前走・中京記念で11着と人気を裏切っているからだろう。
が、その前走は軽い脚元の不安(裂蹄)があって5カ月ぶりの実戦。乗り込んではいたが馬体に余裕があり、明らかな重め残りだった。参考外に見ていいのではないか。
今回もそれ以来、2カ月ぶりの一戦だが、調整休養で馬体に緩みはない。牧場でしっかり乗り込まれ、帰厩後も抜かりなく稽古を積まれている。すでに速い追い切りは4本。1週前のそれは坂路で目いっぱいに追われ、調教駆けするパートナー(準オープン馬)を3馬身も斬り捨てて気を吐いていた。
「春とは一変。臨戦態勢はきっちり整っている」
と矢作調教師が目を細めるほどの好仕上がりを見せている。この距離で3勝していることから単なるマイラーでないことは明らかで、コンビを組む蛯名騎手も「2000メートル前後がベスト」と言い切る。
鉄砲駆けの実績があり、左回りはスムーズで、特に東京コースをめっぽう得意としている。天皇賞を目指しており、であれば、ヘタな競馬は断じてできないだろう。ハイアーゲーム(ダービー3着。青葉賞、鳴尾記念勝ち)の弟で、女傑イヴァンジカ(凱旋門賞、仏1000ギニーなどGI3勝)を4代母に持つ良血。また、このレースで活躍が目立つ5歳牡馬でもある。大きく狙ってみたい。
◆アサヒ芸能10/7発売(10/16号)より