史上初の3度の三冠王に輝き、監督として中日を日本一に導いた落合博満氏が、野球人生でただ一度、打席で経験したという「全身痙攣」。試合後、マッサージを担当したトレーナーも「20試合、30試合やったって、こんな体にはならねぇぞ!」と驚いたという。
そんなエピソードが、YouTubeチャンネル〈【公式】落合博満のオレ流チャンネル〉で、本人の口から語られた。
それはロッテ時代、オールスターゲームに初出場した1981年の第1試合、初打席だった。相手投手は巨人から阪神に移籍した小林繁である。
「バット振ったら全身痙攣を起こしちゃってね、バッターボックスで。これ、どうしようもなくって、どうすんだこれは…と思った記憶がある。で、確かセカンドゴロを打って、ベンチに戻ってきて、やっと痙攣が治まって…」
極度の緊張から、立っているのもキツかったほどの痙攣を味わったようで、スタッフから「落合さんでも緊張する時があったんですね」と問われ、
「あったんだねぇ、初めて」
最も思い出に残るオールスターだったようだ。
泰然自若を絵に描いたようなオレ流にもあった、意外なるエピソード。しかしこの試合、6回に同点タイムリーを放って優秀選手に選ばれたのは、お見事である。
オールスター通算本塁打数は、山本浩二(広島)の14本、王貞治(巨人)、清原和博(西武、巨人、オリックス)の13本に次ぐ11本を数えるが、オレ流発言は健在だった。
「あぁ、11本しか打ってないんだ…」
(所ひで/ユーチューブライター)