安倍晋三元首相の妻・昭恵夫人に、政治家転身への期待の声が日々高まっている。
7月8日に芝・増上寺で行われた安倍氏の一周忌に続き、23日には地元の山口県長門市にある安倍家の墓所で納骨式が行われ、その後の「しのぶ会」では多くの関係者が参列。死して一年経過しても安倍氏の影響度の大きさをうかがわせた。そうした中、昭恵夫人の存在感も際立っていた。
昭恵夫人は天性のアジテーターで演説上手と言われる。例えば東京の食事会では山口出身の偉人、吉田松陰の名を持ち出し、
「松陰が後世に広く知られたのは門下生が日本のために活躍したから。同様に安倍晋三の名が100年後も記憶されるよう国会議員の皆さんも国のために活躍していただければ、主人も喜びます」
などと語りかけ出席議員らの感涙を誘っている。また23日の山口では、
「主人が撒いた種を花開かせていただきたい」
などと熱弁を振るっていた。
自民党関係者が語る。
「4月の衆院補選では安倍氏後継の吉田真次衆院議員の当選に奔走し、吉田氏の後援会長にまでなって次の総選挙での区割りを巡り党本部を訪れるなど、精力的に動いた。一周忌直後には安倍チルドレンの国会議員らを引き連れ台湾を訪れ蔡英文総統と面会するなど、まさに八面六臂の活躍。親安倍議員の間で『昭恵さん自身に安倍さんの後継者として政界に打って出て欲しい』という声が出てくるのは当然の話」
中には「昭恵さんが新党を立ち上げるなら即、駆けつける」という声まで聞こえてくるわけだが、肝心の本人はどう思っているのか。自民党幹部が言う。
「今は政治への意欲は薄く、むしろ安倍氏の記念館を建てたいという願望が強いらしい。しかし一方、政治家転身への期待の声が煮詰まるまで様子見の時期と判断している可能性がある。新党など立ち上げられたら自民にとって脅威です」
気が付けば昭恵夫人が自民党の命運を握っていた…なんてことになるかもしれない。
(田村建光)