自民党最大派閥安倍派に片山さつき元地方創生担当相(参院議員)が入会し、同派所属議員が100人となった。片山氏は自身のツイートに、福田達夫事務総長代理から「『片山先生、ギリ番号ですよ!100!』と教えて頂きビックリ!」と書き込んだ。
なにかとお騒がせの片山氏だが、昨年2月にそれまで所属していた二階俊博元幹事長率いる二階派を脱会してから、1年越しの入会となった。
片山氏は2021年暮れに二階氏と面会し、退会する意向を伝えた。二階氏は「来る者は拒まず、去る者は追わず」の方針。だが二階氏が幹事長ポストを外れ、影響力が低下したと言われていた矢先の退会だったため、二階派内からは「うちの派の枠で閣僚に起用されたのに、不義理だ」との批判が相次いだ。結局、片山氏は事実上の除名処分となった。
二階派と騒動を起こしてまで安倍派入会を希望した理由については、二階氏から党内の権力の中心が移行するとみた、目ざとい片山氏らしい、との評がもっぱらだが、安倍派の閣僚経験者は「別の理由もある」と語る。
「安倍晋三元首相は女性活躍を謳った第2次政権で多くの女性閣僚を起用しましたが、その中で最も評価していたのが片山氏だった。片山氏もそれを聞いて感激し、安倍派に入りたいと思ったというのです」
騒動を起こしてばかりとのイメージが強い片山氏だが、安倍氏は「大蔵官僚出身らしく、仕事ができる。安倍内閣のために一生懸命仕事をし、助けてくれた」と語っていたという。
その意味では片山氏にとっては悲願の入会となったが、自らを評価してくれた安倍氏は昨年7月に暗殺され、この世にいない。主のいない安倍派で、片山氏がどのように行動するか注目される。