どの業界にもその世界だけでしか通用しない業界用語、隠語があるもの。鉄道ファンの間でも独自の用語があり、難解で意味不明なものが多いが実生活で使えるものも少なくない。そんな鉄オタ用語を解説しよう。
●「グモ」(ぐも)
人身事故のこと。「◯◯駅でグモ」とSNSに投稿することが多い。なぜグモになったのか。きっかけはネット掲示板の投稿で、携帯電話で通話中の人がひかれた時の音声をある投稿者が「グモッチュイーーンボゴゴゴゴゴ」と表現。そこから人身事故を「グモ」と言うようになった。
●「ウヤ」(うや)
「運転休止」の意味で、「うんてん やすみ」の頭から1文字ずつ取って「ウヤ」。「今日の列車ウヤだって」と使う。列車だけでなく他のことにも使い、「今日は仕事ウヤ」と言ったりする。似たような用語に「トケ」があり、こちらは「とり けし」の略。「ブルトレが大雪でトケた」と使う。
●「カマ」(かま)
機関車を「カマ(釜)」と呼ぶ。SL機関車は「蒸気釜」で、ディーゼル機関車は「ディーゼル釜」、電気機関車は「電気釜」。
●「激パ」(げきぱ)
撮り鉄が1カ所に集中した状態を指す。激しく混んでパニック状態になっていることから「激パ」と呼ばれるようになった。
●「バカ停」(ばかてい)
列車が駅に長い時間停車すること。臨時列車は時間調整のために駅で長く停車することがあり、「××列車は▲▲駅でバカ停中」と使う。
●「白Hゴム」(しろえっちごむ)
Hゴムは窓ガラスを車両に固定するために、ガラスの周りにはめ込むゴムのこと。かつてはクリーム色や灰色、白のHゴムが使われていたが、日光で劣化するため黒が主流に。古い車両を復活させた際、Hゴムが黒だと興ざめ。
●「ヒガハス」(ひがはす)・「ワシクリ」(わしくり)
どちらも有名撮影地のこと。ヒガハスはJR東北線の東大宮駅と蓮田駅の間にある。ワシクリは東北線の東鷲宮駅から栗橋駅の間。両駅の頭を取ることが多い。
●「マルチメディアヒガハス」(まるちめでぃあひがはす)
撮影地に多くの撮り鉄が集まり、カメラが並んでいる様子をヨドバシカメラの「マルチメディアAKIBA」になぞらえてこう呼ぶ。地名はその場所によって変わる。