時すでに遅しか――。阪神に3連敗し自力Vが消滅したDeNA・三浦大輔監督に、チーム内外から批判の声が噴出している。スポーツ紙ベテラン遊軍記者は次のように話す。
「一時は首位を走る阪神を捕らえたのに、後半戦に入って失速している。このままではBクラスでシーズンを終える可能性も出てきました。今、各マスコミの担当記者も『今、セ・リーグでいちばん弱い』と話していますね」
戦力的には首位を走る阪神、あるいは広島に比べ、決して劣ってはいない。打線では宮崎敏郎が首位打者争いを演じており、4番の牧秀悟もすでに60打点を超えて、巨人・岡本和真と打点王争いを演じるなど、本来の勝負強さを発揮している。投手陣はエース・今永昇太やトレバー・バウアーが順調に勝ち星を積み重ねている。
一番の問題は守護神・山崎康晃の不調だろう。これまで20セーブを挙げているが、6敗(2勝)もしている。防御率は4点台。昨年37セーブ、防御率1.33だったことを考えれば、目を覆わんばかりの惨状である。結果、守護神失格となり、中継ぎに回ることになった。
この要因のひとつが、三浦監督の過剰な気の使いようだ。スポーツ紙デスクが言う。
「そもそもここ数年の山崎の成績を考えれば、昨年はできすぎです。今シーズン、開幕から救援失敗が続いた時点で、早めに手を打つべきだった。広島の新井貴浩監督が栗林良吏の不振を確信した時点で2軍に落とし、再調整させたのとは雲泥の差です。三浦監督は山崎のプライドを考えたのでしょうが、ダメなものはダメ。結局、その優しさがアダになりました」
これまでの戦いぶりについて、球団OBからも手厳しい声が上がっている。
「大輔は選手の兄貴分として面倒見がいいが、もっと非情になる必要がある」
8月6日の阪神戦(横浜)では、7回に3連戦不振の佐野恵太に代えて楠本泰史を打席に立たせるという采配を見せたものの、得点には結びつかなかった。
「三浦監督は勝利を優先して、もっとシーズンの早い段階から、阪神・岡田彰布監督や巨人・原辰徳監督のような、非情ともいえる采配をするべきでした。この期に及んではもう…ですね」(前出・ベテラン遊軍記者)
このまま後退を続ければ、生え抜きスター監督の去就問題も出かねない状況だ。
(阿部勝彦)