テリー でも、こうやって話を聞いてみると、竹山さんはほんとに人生をエンジョイしてるよね。
竹山 まぁ、そうしないとしょうがないっていうところもありますけどね。芸能人って、「この人、イカれてるな」って思われるのが仕事だから、それをやろうかなって。
テリー そうか。そうじゃないとコメンテーターの仕事なんかもね。
竹山 あ、そうなんですよ。今日はテリーさんに聞きたいことがあったんですけど、ワイドショーの作りが前にも増してソフトになってるんですよ。前まではちょっとネットとかで騒動になるような発言も許されたんですけど、最近はそれすらも「やめましょうか」みたいな。
テリー 「なるべく問題にならない、無難な発言をしてください」って?
竹山 正にそういう感じで。それでいいのかなって思うんですよね。
テリー 俺はいいと思うけどな。今は他のメディアもあって、ニュースなんかも最初にそっちで得るじゃないですか。そうすると、またテレビでそれを見ることを視聴者が望んでるのかなというか。だから、別に「許さん!」とか思ってないのに、気合い入れてコメントしてる人がいると、なんか滑稽に見えてきちゃうんですよ。
竹山 なるほど。実は何年か前まで「もっとワイドショーはおもしろくなる」って思ってて、「だから、こういうところは変えるべきだ」って躍起になってた時期があるんですけど、また時代が変わって、最近は「もう、それに合わせればいいのかな」って思ってるんですよ。ただ、「これでギャラもらっていいのかな」っていう迷いもちょっとあって。
テリー いや、俺はもういいと思うよ。だから今日、竹山さんの趣味の話を聞いて、ほんとにいいと思ったのは、楽しそうだし、「俺もやってみようかな」って思わせる力があるじゃない。もちろん、地球温暖化とか少子化の問題とか色々あるにしても、世の中に危機感を与えるより、竹山さんは楽しいことを提案する才能があるんだからさ。危機感は別の人が与えればいいんですよ。
竹山 その役目は「俺じゃない」っていうことですよね。それはちょっと前から思ってました(苦笑)。
テリー だから、どうしても番組でコメントを求められると、その時の雰囲気というかさ、誘導尋問みたいな感じで、「これは由々しき問題ですね」とか言わざるを得ない時があるじゃない。別にそんなことあんまり思ってないのに。
竹山 それこそ「許せん!」みたいな。
テリー そうそう。それより「ちょっと難しくて、全然わかんないですよね」って言っちゃった方がいいと思うんだよね。俺なんかが「スッキリ!」やってた時は、加藤(浩次)さんとプロレスができたんだけどね。「ふざけるな!」って。
竹山 ああ。ほんとは僕もそれがやりたかったんですよね。でも、プロレスだと思ってくれてない人いっぱいいるから、結局八方ふさがりになっちゃうという。
テリー それは時代もあるし、こっちに大して力がないから。
竹山 僕みたいなバラエティーチームがここ数年、ちょっと気張りすぎちゃったんでしょうね。
テリー IQないのにね。
竹山 あるフリしちゃったんですよね。
テリー 俺も同じだよ。
竹山 ほんとですか? でも、それもやめた方がいいんですね。
テリー うん。これからはこの本みたいな、楽しい提案をどんどんしていってよ。
竹山 そうですね。そもそもおもしろいことをやるのが僕らの仕事ですからね。
◆テリーからひと言
竹山さんは飛行機も趣味なんだよな。今度は飛行機かヘリコプターの免許を取ってさ、俺を乗せてほしいね。
ゲスト:カンニング竹山(かんにんぐ・たけやま)1971年、福岡県生まれ。1992年、中島忠幸氏と「カンニング」結成。2006年より「カンニング竹山」で活動。俳優業にも活躍の場を広げ、映画の主演やNHK連続テレビ小説「花子とアン」などに出演し。また「情報プレゼンター とくダネ!」「バイキングMORE」(共にフジテレビ系)などでコメンテーターとしても活躍。現在は「ゴゴスマ」(CBC系)、「ノンストップ!」(フジテレビ系)、「探偵!ナイトスクープ」(朝日放送系)などにレギュラー出演中。「竹山ライブショー」で月イチのライブ配信中。「カンニング竹山の50歳からのひとり趣味入門」(ポプラ新書)発売中。