社会

海外に移住して日本の仕事を受けたら「不法就労」で罰金⇒国外退去処分になる意外な「落とし穴」

 日本が不況や物価高騰にあえぐ中、海外進出を考える日本人が増加している。海外で現地採用として働く人がほとんどだと思うが、最近は「ノマドワーカー」(定住地を持たず、コワーキングスペース、図書館、ホテルなどを移動しながら、ノートPCやスマホで仕事をする)のように、日本国内の会社から業務を受け、海外で仕事をするフリーランスも多く見かける。

 例えば物価が安く、日本人からの人気が高いタイ。長期観光ビザで一時的に旅行者として日本の仕事をする分には問題ないが、さらに長く滞在するために、留学ビザで入国する日本人も多い。だが、留学ビザで入国し、日本の仕事を請け負うことは、タイでは不法就労とされる。タイ事情に詳しいジャーナリストが解説する。

「留学ビザなどでタイに入国し、フリーランスとして収入を得るためには、まずはタイで現地採用などで会社に所属し、ワークパミット(労働許可証)を取得しなければなりません。就労ビザとワークパーミットなしでフリーランスの仕事をして見つかった場合、違法就労として罰金徴収、国外退去処分となり、1~5年の再入国禁止が言い渡されます」

 ただ、オンラインで日本から仕事を請け負ったとしても見つかることはほとんどないため、実際には就労ビザなしでやっている人が多いのが現実だ。

「SNSでは、タイに移住してノマドワーカーをやっています、という人を見かけます。特にバンコクではそういった不法就労の日本人に厳しく、入国管理局に通報する同胞は多い。フリーライターは記事に名前を出しているので、バレやすい。私の知り合いにも、タイに学生ビザで入国し、フリーライターとして収入を得ていた日本人がいましたが、当局の目を恐れて姿をくらましました。SNSで周囲を全て遮断し、自ら行方不明になる人もいますね」(前出・タイ事情に詳しいジャーナリスト)

「海外でフリーランス」に憧れを抱く人は多いが、そこには一筋縄ではいかない現実があったのだ。

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