今シーズン、巨人・岡本和真の顕著な変化は、ホームランの飛距離に表れていた。
例えば8月13日、東京ドームでのDeNA戦。8回の第5打席に、宮国椋丞の直球を左翼バルコニー席まで運んだ。ヤクルト・村上宗隆の22本を大きく突き離す、第32号の飛距離は131メートル。8月2日のヤクルト戦でも、岡本は看板直撃の136メートル特大弾を、6月16日の楽天戦では134メートルを放っている。
野球解説者の高木豊氏がホームランを打つ秘訣を、自身のYouTubeチャンネル〈高木豊Takagi Yutaka〉で解説している。
上からボールを叩け、後ろより前(フォロースルー)を大きく、ボールを潰すような感覚で逆回転を与えて…といった昔の教えは「大ウソつきだ」と、高木氏は一刀両断する。その上で、
「上から打てないけどな。逆回転与えたら飛ばないから。後ろから大きく(バットを)振ってくる。体を前に出さない。バットは下から入射角(バットがボールに当たる角度)と反射角(反射して飛んでいく角度)が合えば、ホームランになる」
この理に適った打ち方を、岡本はつかもうとしているといい、
「村上はまだ体が前に出る。でも、あれだけ打てるっていうのは能力だよな。岡本があれをつかんだら、村上は相手じゃなくなる」
セ・リーグの本拠地で最もホームランが出にくいとされるのは、フェンスまでの距離が122メートルのバンテリンドームだが、
「このところの岡本の飛距離を考えると、十分ホームランは狙えそうです」(スポーツライター)
岡本の豪快なホームランだけが、V逸濃厚な巨人での明るい材料かもしれない。
(所ひで/ユーチューブライター)