「彼が『王さんだとか長嶋さんだとか松井選手とも違う、勝つための4番バッターでいいんだ』というようなコメントをしてましたけど、これはすごいなと思ったんだよね。セカンドゴロで1点入るならばセカンドゴロを打ちに行くとかですね」
感心するようにこう語ったのは、元阪神で野球解説者の掛布雅之氏だ。巨人の前監督・高橋由伸氏と出演したスポーツ報知のYouTubeチャンネル〈報知プロ野球チャンネル〉でのことだった。
掛布氏が「すごい」と評したのは巨人・岡本和真について。だが、一方で苦笑いしながらこうも語っていた。
「でも、巨人の打線でバントをする、っていう作戦が正しいのかね」
これに対し、岡本をブレイクさせた生みの親ともいえる高橋氏は、今の巨人打線を酷評した。
「バントはあれだけど、外野フライぐらいは打ってほしいなと思うメンバーだね。ここは最低でもこれをやってほしいっていうメンバーではあったと思うので」
スポーツ紙記者も巨人打線と岡本の発言についてこう語る。
「22年シーズンで5年振りにBクラスに陥落した巨人の、73犠打、15犠飛というチーム記録は、ともに12球団ワーストでした。岡本の『自分が犠打を打っても点を取りたい』という内容のコメントにしても、20、21年と連続で本塁打王と打点王の二冠を獲得した主砲の口から出た言葉ですからね。いかに勝てない1年だったかがわかります」
もっとも、過去の巨人の犠飛を見ると、19年は「84」でリーグ4位タイで、20年も「59」で4位だが、両シーズンともに優勝しているのである。
掛布、高橋両氏は、岡本について次のようにも語っていた。
「もうちょっと今年は、ホームランで決めてやるんだぐらいの4番バッターを演じて欲しいですね」(掛布氏)
「凄みというのが欲しいですよ、4番バッターには」(高橋氏)
なにより、「巨人の4番がそれを言うか」という両氏の複雑な思いは、巨人ファンにも十分に伝わったのではないか。
(所ひで/ユーチューブライター)