夏の高校野球決勝で仙台育英を8-2で下し、107年ぶりの優勝を果たした慶応高校。試合内容と同様に大きなインパクトを残したのが、スタンドからの熱の入った応援だ。決勝戦でも同校の応援歌「若き血」を大応援団が繰り返し熱唱し、選手の好プレーを後押しした。
同校の躍進をメディアはこぞって報道し、かつてない「慶応フィーバー」が巻き起こる中、「慶応びいき」を痛烈に批判しているのが「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)コメンテーターの玉川徹氏だ。
決勝前日の放送では同番組の高校野球特集について「育英も昨日、試合やってるんですよ。VTRが1秒もなかったよね。どういうつもり?」とチクリ。「慶応びいきの、この世論の雰囲気!」と、慶応への応援一辺倒のムードに苦言を呈したのである。
そんな玉川氏は、決勝戦の模様を取り上げた8月24日も「慶応批判」を展開する。
「慶応高校の選手は仙台育英の選手と戦ってた。だけど、仙台育英の選手はスタンドとも戦わなきゃいけなかったんじゃないか」
なんと慶応のド派手な応援にも苦言を呈したのだった。「快挙に水を差すな」という意見も出ている玉川氏の一連の発言について、
「正論中の正論。私としても『よくぞ言ってくれた』との思いですね」
と語るのは、在京キー局のスポーツ番組ディレクターだ。続けて、
「今回の『慶応フィーバー』は、マスコミ関係者に慶応OBが大量にいるからこその現象です。プロ野球ならまだしも、高校野球で特定のチームにメディアが肩入れするのは明らかにおかしいでしょう。スタンドの騒音レベルの応援により、他校の選手の萎縮を招いたことも否定できません。夏の高校野球を主催する朝日新聞系列のテレ朝で、さらに元局員である玉川氏がこうした発言をするのは、相当な覚悟が必要だったはずです」
玉川氏は言いにくいことを言う役割をキッチリと果たしたといえよう。
(川瀬大輔)