試合前の食事会場での、前代未聞の「白米禁止」発令に選手が猛反発(本サイト8月24日公開記事)。「令和の米騒動」の渦中の人物となったのは、中日・立浪和義監督である。8月24日の阪神戦で逆転負けし、これで64年ぶりに球団史上ワースト記録を更新するビジター球場14連敗となった。借金も今シーズン最多の26に膨らんでいる。
相変わらず課題の攻撃陣が点を取れず、試合後は報道陣の前で「相手に越された途端に攻撃が淡泊になる。ずっと同じような結果になるよ」と意気消沈した。レフト外野席の中日ファンからは「気合を入れろドラゴンズ!」と野次られており「プロとして情けない」と肩を落とした。ところが球団OBは、
「あの事件を覚えていないのかね」
と苦笑するのだ。
それは現役時代の立浪監督が引退後、数年が経過した2012年11月のこと。沖縄・北谷の秋季キャンプで当時の高木守道監督は、昼食の粗末さに球団に大クレームをつけた。経費削減を理由に、幕の内弁当だけが支給されていたのだが、高木監督の要求に対し、天ぷら、ステーキが出されたものの、疲れて誰も油物を受け付けなかったという。そこで高木監督は、
「すぐに力が出るのはおにぎり、炭水化物じゃないのか。うどん、ラーメンとか麺類もだ。楽しみは食べることしかないのに」
当時の球団代表も「食事がおざなりになってはダメだ」として、ホテルのケータリングが準備されるようになったのである。
立浪監督は現役時代、高木監督のもとでプレーしたことがある。恩師が訴えた食事の大事さを、どう思っているのだろうか。