米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平を悲劇が襲った。
日本時間の8月23日に行われたレッズとのダブルヘッダー第2戦に二刀流で出場したが、2回に「右腕の疲労」により緊急降板。試合後、ペリー・ミナシアンGMが記者会見で「右肘靱帯損傷で今季投手としてもう投げない」とした。
この日の登板ではストレートの最速が151.9キロにとどまるなど剛速球は陰を潜め、平均速度も10キロ近く遅かった。
大谷は2018年6月にも「右肘内側側副じん帯損傷」で故障者リスト(DL)入り。一度は投手として復帰したものの、同年9月上旬の精密検査により右肘じん帯の別の場所の損傷が判明し、シーズン終了後の10月1日に腱移植手術、いわゆるトミー・ジョン手術を受けている。
まずはセカンドオピニオンを受け手術を含め検討するというが、セカンドオピニオンを実施しなければならないほど深刻な状況の可能性がある。前回の手術時は翌年の5月から打者で復帰したものの投手としては全休。20年7月26日に手術から1年10カ月ぶりに投手復帰を果たしたものの、今度は右肘付近の屈筋回内筋痛と診断され同年中の投手復帰が消滅。結局、完全復帰したのは21年の4月で、手術から2年半もの間、投手として思うような活躍ができなかった。
スポーツライターが語る。
「再びトミー・ジョン手術を受けるとなると、前回よりも手術が複雑になり、選手によっては回復がより遅くなると指摘する専門家もいる。となると早めに治療を始めたいところですが、打者としてプレーオフのわずかな可能性や本塁打王にこだわれば、それだけ復帰が先になり、来季も投手を断念せざるをえない可能性が高くなる。難しい判断が迫られます」
まずはそこまで深刻ではない状況を願うばかりだ。
(ケン高田)