「2000本達成しました…けど…しました。本当にたくさんの声援をいただいて、その中で打つことができて、本当によかったなと思ってます」
プロ野球史上55人目となる通算2000安打を本拠地の中日ファンの前で達成した大島洋平は、長い道のりをそう語った。
大学、社会人を経てプロ入りした選手では、古田敦也氏、宮本慎也氏、和田一浩氏に次いで4人目という快挙だ。にもかかわらず、8月28日に公開されたYouTubeチャンネル〈中日ドラゴンズ公式チャンネル〉での、中日ファンに向けた大島のコメントは、なんとも歯切れが悪い。最下位を独走するチーム事情、まして中日は8月17日の巨人戦からこの試合まで、8連敗していただけに、
「チーム的には負けてしまって、今も連敗が続いてる状態ですけど、これをきっかけに明日から勝てるようにやっていきたいと思います」
野球解説者の宮本慎也氏は、YouTubeチャンネル〈野球いっかん!〉で、大島の快挙を次のように評した。
「チームが弱くなってたから出れたっていう。代わりの選手がなかなか出てこないから、弱くなっていくわけじゃないですか。新陳代謝もなく。そうすると、出続ける可能性が高くなる。2000本を打つってことだけを考えたら、結果的にそうなんやろな…」
なんと、辛辣な言葉なのである。
「大島は2009年ドラフト5位で中日に入団しましたが、当時は落合博満監督の下、幾度も優勝を成し遂げた時期。大島は入団するなり2010年、2011年と、リーグ連覇を経験しました。しかし、高木守道監督代わった2012年の2位を最後に、翌年からは7年連続でBクラス。2020年は3位に浮上しましたが、その後は5位、6位と、まさに弱いチームの一員でした」(スポーツライター)
中日以外にいたならば、記録を作るのはまだまだ先だった、ということか。
(所ひで/ユーチューブライター)