阪神タイガースの岡田彰布監督が、プッツン大激怒だ。原因は9月3日のヤクルト戦(神宮球場)の9回に、近本光司が右脇腹付近に死球を食らったことにある。痛みからしばらく身動きできない近本は打席に倒れ込んだ後、トレーナーとともにベンチに下がり、小野寺暖と交代した。
ヤクルトは8月13日に、梅野隆太郎が左手首骨折となる死球を受けた忌まわしき相手。偶然なのか、はたまた…。次々と主力が狙われる異常事態に、岡田監督は怒りを隠さない。
「2年連続優勝したチームが情けない。あきれるよなぁ。そういうチームなんだろっ!」
宣戦布告ともとれる憤慨ぶりを見せたのである。セ・リーグ関係者が苦笑する。
「投手陣の実力で劣るヤクルトは、捨て身の内角攻めで揺さぶりをかけようと必死です。シュートを持ち球にする木沢尚文や山本大貴に首脳陣が『ひるむことなく突っ込め』と内角攻めを推奨しているようですし。コントロールがないピッチャーに玉砕覚悟の指令を出している時点で、対戦相手からしたらたまったものではありません」
近本の死球について、ヤクルトの高津臣吾監督は言い訳がましく、次のように弁明した。
「もちろんぶつけようと思ってぶつけているわけではない。持ち球がシュートなので、そこにいってしまった」
ヤクルトの与死球数はここまで12球団最多の58で、他球団の主力打者を中心に、当てまくっている。中日の石川昂弥は8月19日のヤクルト戦で、木沢の投球が左側頭部に当たり、緊急搬送されて病院送りに。8月23日には巨人の坂本勇人が小川泰弘の頭部付近への投球で体をのけぞらせ、巨人ファンからの怒号が飛び交った。
「ヤクルトのやり口に、各球団は怒りを募らせています。明らかな報復死球はできませんが、村上宗隆や山田哲人、中村悠平といったヤクルトの主力に対し、今後、死球スレスレの内角攻めが発動されることは間違いありません」(スポーツ紙デスク)
目標がなくなり、失うモノがないヤクルト。シーズン終盤のセ・リーグに生臭い風を吹き込んでいる。