8月31日から始まった王座戦五番勝負。第1局は神奈川県秦野市の「元湯 陣屋」で行われ、永瀬拓矢王座が藤井聡太竜王・名人に勝利した。
将棋の8大タイトルのうち、「王座」のタイトルだけ保持していない藤井七冠。この五番勝負に勝つと、誰も手にしたことがない八冠達成となる。
一方、永瀬王座は今回、タイトルを防衛すると5連覇となり「名誉王座」の称号を獲得することになる。
この王座戦第1局はインターネットテレビ「ABEMA」で生中継され、視聴数は548万超を記録。ABEMAは2022年1月8日から23年7月7日までの藤井七冠がタイトル獲得、防衛した王位戦・棋聖戦・名人戦・叡王戦・棋王戦・王将戦・竜王戦を生中継してきたが、各タイトル戦第1局の視聴数で最高だったという。
前人未到の八冠独占がかかっているだけに注目度は高く、今後は9月12日に神戸、9月27日に名古屋、10月11日に京都、10月30日に甲府と続く。
もし藤井七冠が八冠を達成した場合、その経済効果はどんなものか。9月2日放送の「せ・やねん!」(MBS テレビ)では、関西大学宮本勝浩名誉教授による計算を紹介していた。
経済効果は35億3487万円だそうで、タイトル獲得料やCM・イベントへの出演、藤井七冠が対局した宿泊施設や勝負メシ、将棋ファンや将棋人口の増加などによるものだとか。将棋は観戦でほぼお金が動かない上に、チームではなく個人プレーヤーだけに、空前絶後の額だという。
第2局で藤井七冠が巻き返しを図れば、さらに盛り上がるだろう。
(鈴木十朗)