6月28日の将棋王座戦挑戦者決定トーナメント準決勝で羽生善治九段に勝利し、決勝進出を決めた藤井聡太七冠。
年初に行われた王将戦七番勝負以来の対戦となった本局は、互いに持ち時間が切迫する攻防戦が繰り広げられたが、最終局面で藤井が攻めへ転じ、そのまま一気に押し切って勝利を手にした。羽生は前人未到のタイトル獲得通算100期を目指したが、一歩及ばなかった。
世代を超えた七冠経験者同士の一戦は、若き絶対王者に軍配が上がり、いよいよ藤井は「王座」の挑戦を掛けて決勝戦へと挑む。
気になる対戦相手は7月3日に行われる「渡辺明九段-豊島将之九段」戦の勝者となる。果たして藤井にとって、どちらが有利なのだろうか。
将棋ライターが語る。
「渡辺と豊島のこれまでの公式棋戦の成績は、22勝16敗で渡辺が勝ち越しています。しかし、2020年以降は7勝7敗と互角で、どちらが勝者になってもおかしくないでしょうね。そして藤井はこれまで、渡辺に対しては20勝4敗と大きく勝ち越し、豊島には対しては21勝11敗。これを見る限り、渡辺が勝ち上がった方が有利なのは間違いありません」
どちらが決勝戦に進んでも藤井の有利はゆるがないが、八冠の達成を待ち侘びているファンにとっては「渡辺九段頑張ってくれ!」だろう。
(ケン高田)