日本野球機構(NPB)とプロ野球12球団による実行委員会が9月4日に都内で開催され、野手が向かってくる走者に対して完全にベースを塞いだ「バトルブロック」とも呼ばれるケースの判定基準を変更。「ブロッキングベース」として5日の公式戦から適用する。
これまでは故意でなければ走塁妨害にはならず、タイミングがセーフでもアウトとしていたが、今後は不可抗力であっても完全に塞いだ場合は、タイミングを見てセーフにするという。
今回の措置のきっかけとなったのが、8月18日のDeNA―阪神18回戦(横浜)。9回一死1塁から阪神・熊谷敬宥がDeNA・京田陽太にブロックされる形で二盗に失敗。当初はセーフ判定だったがDeNA側のリクエストでアウトに覆った。審判団はベースを塞ぐ形で捕球した京田の動きは故意でなく走塁妨害には当たらないと判断したが、阪神・岡田彰布監督は猛抗議。翌日、阪神が意見書を提出し検討課題となっていた。
問題のシーンについて野球解説者の宮本慎也氏は27日更新のYouTubeチャンネル「野球いっかん!」で「あれはセーフにせなあかんね。(ベースを)塞いでる。故意だろうが故意でなかろうが」と語っていたが、9月3日更新の同チャンネルでは、宮本氏が京田本人にこのときのブロックについて直接聞いたと話している。
場所は甲子園。宮本氏が取材でグラウンドに上がると京田がちょうどティーバッティングをしていたところで、例のシーンについて「京田、何であそこにいっちゃうの?」と聞くと、なんと「わかんないです」と返ってきたとか。そこで、
「だから『あそこにいったらケガするから、入り方は絶対前に入ったほうがいいよ。ケガしたら自分が損するんだから』って言ったら『はい』って言ってた」
と宮本塾が展開されたという。
スポーツライターが語る。
「故意ではなかったということは分かりましたが、7年目のプロが『わかんない』には少々驚きで、宮本氏が前回の動画で話していたように勉強不足ということでしょう。ただあのプレー以後、京田は同じような場面で自重気味な対応が見られるだけに、判定基準の変更でより気をつけるようになるのでは」
NPBの迅速な対応は正解だろう。
(鈴木十朗)