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「巨人生え抜き」“国内球団FA移籍第1号”選手を衝き動かした「監督」の言葉!

 今も昔も人気球団であり続ける巨人。1974年のドラフト1位で入団した定岡正二氏が85年オフにトレード要員となった際、「巨人のまま辞めたい」との意向から現役を引退したのは巨人がいかに人気球団かを示す象徴的な出来事だった。

 2003年にニューヨーク・ヤンキースに松井秀喜氏がFA移籍した報にも驚かされたものだが、MLBを夢見た挑戦ゆえの選択であったことは理解できた。

 では、巨人生え抜きで、国内球団にFA移籍した唯一の選手をご記憶にあるだろうか?長嶋茂雄「第2次政権」、1年目の93年オフに横浜ベイスターズに移籍した、満塁男こと駒田徳広氏である。

 元プロ野球選手・大久保博元氏のYouTubeチャンネル〈デーブ大久保チャンネル〉の、12月22日に〈巨人生え抜きで唯一。涙の巨人FAの全貌〉とタイトルがつけられた投稿回を観てみると、首脳陣との確執からモチベーションが下がっていた駒田氏が頼ったのは、92年まで巨人の監督を務めていた、故・藤田元司氏だったようだ。

 藤田氏がリサーチしたところ、駒田氏はFAしなければトレード要員だったようなのだが、もしトレードが失敗すれば、駒田氏は気まずい思いで巨人に残らなければいけないことから、藤田氏は「出るだけの勇気と根性あるか?」と問い、応えた駒田氏に横浜ベイスターズへの道筋を作ったのだという。

「今思えばすごく大それたことやってるけど、自分の判断では出来ない移籍だったと思ってる。自分で出来るだけの勇気と根性はなかったね」

 そう目を細めて振り返る駒田氏だった。この動画には、〈大人はこうあるべき、という見本が藤田元司氏なのだろう。〉〈藤田監督はやはり凄い人ですね〉《藤田さんのことを「紳士」って言うのだと思います。》と藤田氏を激賞する視聴者のコメントが相次いだのだった。

 藤田氏が他界して14年余り経つが、駒田氏の口を通じて、その男気と優しさ溢れる人柄にふたたび触れることができた、興味深い回であった。

(ユーチューブライター・所ひで)

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