キャラよし、センスよし、プレーよし。新三拍子が揃った巨人のルーキー浅野翔吾が、低迷するチームの空気を変えている。7月8日に1軍デビューを飾り、8月11日にプロ初安打。8月18日にはプロ1号本塁打を放った。まずはスポーツライターの論評を聞こう。
「ボールにコンタクトする技術には、素晴らしい資質があります。二岡智宏2軍監督を想起させますね。打席で配球を読んだり、考えたりできる打者。ランナーがいれば、しっかりと右方向への進塁打も打てる。野球偏差値の高さをうかがわせます。これから1軍の投手に慣れていけば、来年は2割7分、15本塁打はいけるかもしれません。巨人の将来を背負う逸材ですよ」
称賛の言葉がずらりと並んだが、同時にスター性も持ち併せている。高松商3年だった昨夏は、甲子園で3本のホームランを放ってスポットライトを浴びた。ファンから愛され、親しみやすく、球団関係者や担当記者とは雑談を交えながら、コミュニケーションを取っている。スポーツ紙デスクも高く評価する。
「坂本勇人や岡本和真からイジられる天然キャラで、チームのムードメーカーになっていますね。コワモテの中田翔も、浅野の前ではなぜか笑顔になるといいます。高校時代から注目されたスターには、1年目から高慢な態度や腰高な選手もいますが、彼は違いますね。問題は浅野の育成のために多少成績が悪くても、辛抱強く使ってもらえるかでしょう。外野には梶谷隆幸、丸佳浩、長野久義、オコエ瑠偉、ウォーカー、ブリンソンらが控えており、ライバルは多いですが、試合に出続けて経験を積むことが高度成長への近道ですから」
積極的な起用で、日本を代表するプレーヤーを目指す。