「女児は中学から私立に行っておいた方がいい」
予備校講師でタレントの林修がそう回答したのは、9月5日の「ぽかぽか」(フジテレビ系)に生出演した際の、中学受験に関する相談に対してだった。
スタジオ観覧席に来ていたお笑いコンビ「デンジャラス」のノッチとその妻・友美さんが「小学校4年になる次女が中学受験に興味を示さない」と悩みを明かす。そこで林センセイは、
「今の東京の状況を考えると、女の子はできたらやっぱり、中学から私立に行っておいた方がいい可能性が高いんですよね。男の子は高校からでもなんとかなるんですけど、高校からの募集をやめちゃった私立(中高一貫校)が非常に多くて。中学で入っとかないと(私立高校受験は)男の子より女の子の方が厳しい」
そう言い切ったのである。
職場や飲み会の場でも、中学受験は宗教やお金の話題と並んで、タブーとされる世間話だ。
「お嬢様でもないのに私立から中学なんて」「公立高校に行けない頭の悪い子供が悪い」と言い出す人がいて、その場が荒れる。
中学受験に無理解な発言をするのは子供や孫のいない人、東京の教育事情を知らない人が多い。まるでわかっていないのだ。子供や孫の進路に真剣に悩んでいる人との禍根を残す。
あの林センセイでも、地上波テレビでは言えなかったことがある。
「中学でイジメや教師のパワハラ、体罰を機に、短期間でも登校拒否になった生徒に、公立中学校は内申書を書いてくれない。そのため都立高校への進学は事実上、不可能になる」
フランスでは学校で集団イジメに遭った子供が自殺したのを機に、イジメ加害者を転校させる法改正をした。ドイツではもともと、加害者を強制的に転校させている。
ところが日本の公立中学校には今でも「イジメ加害者が外国籍だった場合、在日外国人の人権を尊重する」悪しき不文律が存在する。これは筆者も実際に体験しており、子供の通学先でイジメが起きた時に、当時の校長は保護者の前で、被害者の人権よりも「在日外国人の人権を優先」「加害者の人権を尊重」を強調していた。
公立中学の校長も都立高校も、集団イジメに手を染める加害者はウェルカム、イジメ被害者の入学機会は奪う。常識で考えれば当然、逆であるべきだろう。
林センセイのアドバイスに、筆者が説明を加えてみると、こうなる。
「見た目が可愛い女子生徒、有名人の子供など、目立つ女子生徒ほど公立中学校でイジメ対象になりやすい。イジメ被害者に対し、公立中学校は何の救済もせず、内申書も書かないので、都立高校への進学は絶たれる。私立女子校の高校受験機会もない。思春期を迎えた女子生徒が公立中学校で躓いてしまうと、高校進学は絶望的。だから女子生徒は中学受験すべき。芸能人のお嬢さんなら、なおさらだ」
福島第一原発の処理水をめぐる中国からの嫌がらせ電話に「反論音声」を流し、毅然とした対応をしている東京都と小池百合子都知事。次はフランスとドイツにならって「イジメを罰則化する条例」を作ってほしいものだ。
(那須優子)