野球解説者・槙原寛己氏のYouTubeチャンネル〈ミスターパーフェクト槙原〉に、前西武監督の辻発彦氏が出演。現役時代、西武の主力として王貞治監督率いる巨人と戦った1987年の日本シリーズを振り返った。西武黄金期を築いた森祇晶監督をして、自らが経験した8回のシリーズの中で「最高傑作と言っていいかもしれない」と語ったほど、西武の強さが際立ったのである。
西武が王手をかけて迎えた第6戦。2回、二塁走者の清原和博が巨人の緩慢な守備の隙をつき、センターフライで一気にホームに生還。すると8回、今度は一塁走者の辻氏が、センター前の単打ながら、クロマティの緩慢な送球により、またもやホームを踏んだ。
「それ(清原のホーム生還)が1回あったにもかかわらずですよ、また俺が同じことを。そこは巨人のヌルさだったと思うよ。これはダメだよね」
辻氏はにこやかながらも、厳しく指摘したのだった。
ところでこの日本シリーズ、MVPは広島を相手にした前年に続き、西武・工藤公康が2年連続で獲得。第2戦(9回完封)、第5戦(9回にリリーフ)、第6戦(9回完投)と見事なピッチングを見せ、唯一の失点は第6戦の7回表、原辰徳のソロ本塁打のみだった。
2年連続Bクラスが濃厚になってきた巨人に「工藤監督」誕生を望む声が出ることに、何か因縁めいたものを感じざるをえない。
(所ひで/ユーチューブライター)