歓喜の敵将、阪神・岡田彰布監督が胴上げされる姿を苦々しい表情で見つめていたのは、巨人・原辰徳監督だった。甲子園で3連敗を喫し、目の前で優勝される屈辱にまみれた。
3年連続V逸となった原巨人は今季、秋広優人や門脇誠ら積極的に起用した若手野手が結果を残しているが、クライマックスシリーズ進出も危ぶまれる状況に甘んじている。かつて巨人の監督を経験した堀内恒夫氏は、辛口評価だ。
「今、原が若いやつ使ってるっていうでしょ。(他に選手が)いないから使ってるだけの話。いれば、おっかなくて使えないって」
野球解説者・江本孟紀氏のYouTubeチャンネル〈エモやんの、人生ふらーりツマミグイ「江本孟紀」〉でそう語った堀内氏は、さらに厳しい言葉を投げかけた。
「なんでこの素材のいい2、3年のピッチャーを、中途半端に使うのかって思うんだよ。ある程度でピュッと(1軍に)上げて投げさせちゃうんだよ。見てみろって、広島を。広島のピッチャーは牽制にしてもクイックにしても守備にしても、ある程度できるようになってからしか投げさせない。だから…」
そう言って例に挙げたのは、広島の床田寛樹だ。昨季8勝、今季は10勝(9月14日時点、以下同)と、勝ち星を積み上げている。
一方、堀内氏が苦言を呈した巨人の若手投手陣を見てみると、山崎伊織が昨季5勝5敗から今季9勝4敗と躍進するも、横川凱は4勝8敗で負け越し、赤星優志は昨季の5勝5敗から3勝5敗と後退している。
2022年、桑田真澄投手チーフコーチの指導の下、プロ初勝利投手を8人も生み出したが、その桑田コーチはファーム総監督なる謎の名誉職に配置転換。コーチ時代は3年計画でじっくり育てることを提唱していたのだが…。
まさに堀内氏の指摘通りと言えそうだ。
(所ひで/ユーチューブライター)