メディアが発表する「嫌いなMCランキング」でトップを独走するキャスターといえば、「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)や「Mr.サンデー」(フジテレビ系)に出演する、フリーアナウンサーの宮根誠司が「定番」だ。
「人の話を聞かない」「レポーターの話を遮る」「スタッフへの対応がイジメのようで不快」…視聴者からのそうした批判が多いからなのだが、なぜか一転して爆上がりしているというから驚く。
ジャニーズ事務所の創業者である故ジャニー喜多川氏の性加害問題に関する宮根の発言が、視聴者にウケたのだと、「FRIDAY」が報じているのだ。
「本事案の背景として『マスメディアの沈黙』があった」
「テレビ局ももう一回、マスメディアも含めて襟を正して、こういうことはちゃんと報じなければいけないんだなというふうに思いますけどね」
そんな言葉を、宮根は異常ともいえるテンションの高さでまくし立てる。その姿が視聴者を喜ばせている反面、共演者やスタッフを困惑させているのだとも。
「Mr.サンデー」を放送するフジテレビの上層部は、まだジャニーズ事務所との今後の付き合い方も定まっていない中での、宮根のスタンドプレーともいえる発言に頭を抱えているというのだ。
「FRIDAY」の記事によると、宮根が張りきって発言している裏には、自身の番組の視聴率の問題がある。読売テレビの大橋善光社長が7月18日の会見で「人気番組も特別扱いせず、聖域なき見直しをする」と語ったことに、宮根は危機感を抱いているからだ。「ミヤネ屋」の裏番組「ゴゴスマ-GOGO! Smile!-」(TBS系)に視聴率で劣ることが多く、MCの好感度では同番組の石井亮次に遠く及ばない。
「宮根が必死になる気持ちは理解できるのですが、あまり言い過ぎると、自身に特大ブーメランが返ってくるリスクもあります」(テレビ局関係者)
宮根はメディアによるジャニーズ事務所への忖度を批判するが、自身の不倫や隠し子騒動などのスキャンダルはテレビ側の忖度で回避した、と報じられたことがある。
先月には妻との離婚をスクープされたが、宮根は一切スルー。ジャニーズ問題では舌鋒鋭くても、自身の問題にはダンマリでは、「ダブルスタンダード」「お前が言うな」といった批判が起きても仕方がない。宮根の発言は、視聴率アップが期待できる裏で、自身の立場を危うくしかねない「劇薬」のようなものかもしれない。
(石見剣)