ジャニー喜多川氏の性加害問題に、新たな動きが生じている。9月19日、ジャニーズ事務所は公式サイトで、会社運営の今後の方向性について〈あらゆる角度から議論を行い、向かうべき方針を確認いたしました〉と発表した。
前社長の藤島ジュリー景子氏が保有する株式の取り扱いや社名変更など、9月7日の会見以降、批判を浴びていた「現状維持路線」からの脱却を示唆。10月2日に具体的な発表が予定されている新方針によって、性加害問題が大きな転換点を迎えようとしている。
今回の動きについて、芸能関係者は次のように指摘した。
「大手スポンサーのジャニーズ離れが止まらず、やむなく対応を迫られたというのが実情でしょう。今後1年間は所属タレントの出演料を事務所が受け取らないと発表したものの、焼け石に水。最悪の事態である『事務所消滅』だけは回避すべく、今後も妥協点を探っていくのではないでしょうか」
ついに社名変更の可能性にまで踏み込んでいくわけだが、徹底した「ジャニーズ擁護」の論陣を張る人物がいた。先の芸能関係者が言う。
「独自のスタンスを貫いているのが『おぼっちゃまくん』『ゴーマニズム宣言』などの作品で知られる、漫画家の小林よしのり氏です。爆笑問題の太田光やGACKTなど、芸能界にも『ジャニーズ擁護派』とみなされている人がいますが、小林氏の論調はさらに徹底しているんですよ」
ジャニーズ問題について9月19日に〈史上最大のキャンセルカルチャー〉だと、小林氏は自らのブログで指摘したが、8月には〈死者を罵倒し、死者の創造物を貶め、成功者に偏見を植え付け、ファンにまで罪悪感を植え付ける人権真理教の大衆は、これで満足か?〉と、皮肉を込めて綴っている。
「小林氏は喜多川氏による被害を訴える『当事者の会』の証言にも、疑義を呈しています。ジャニーズ問題をめぐるひとつの視点として、小林氏の発信はテレビ業界でも注目されていますね」(テレビ制作関係者)
今こそ活発な議論が求められている。
(山倉卓)