東海道新幹線の車内販売が10月末で終了する。車内販売名物の「シンカンセンスゴイカタイアイス」はどうなってしまうのか。
今でも「シンカンセンスゴイカタイアイス」ことスジャータアイスクリームは、一部イオンやリニア鉄道館、JR東海パッセンジャーズの通信販売で買うことができる。ちょうど「鳥獣戯画」とスゴイカタイアイスのコラボキャンペーン中で、鳥獣戯画のあのウサギがカタイアイスと格闘しているレアグッズも扱っている。11月以降は東海道新幹線「のぞみ」停車駅のホーム上の自動販売機で、ドリップコーヒーやアイスクリームが購入できる予定だ。
だが、すでに東京駅に設置されている自販機で「スゴイカタイアイス」を買い求めても、霜まみれで白い冷気が立ち込めて木のスプーンが折れるほどの、スゴイカタサの再現度はやや低い。期待しすぎない方がいい。
ひっくり返したら火傷しそうなスリル感満点のスゴイアツイホットコーヒーと、シンカンセンスゴイカタイアイスは、永遠に楽しめなくなるのか。
JR東日本の深澤祐二社長は9月11日配信の「東洋経済オンライン」の独占インタビューで、JR東日本管内の新幹線や在来線特急でいったん廃止し、乗客の要望で復活したホットコーヒーとアイスクリームなどの車内販売は今後も継続する予定だと語っている。
JR東日本管内の東北新幹線「はやぶさ」等のほか、特急あずさ、特急ひたちでも取り扱いはある。
JR東海、JR東日本いずれも車内販売の人手が不足しているそうだが、90年代、車内販売のアルバイトは女子大生に人気があった。トンボ帰りではあるものの旅情気分が味わえ、新大阪駅でちゃちゃっとご当地グルメも味わえた。バイト学生が週明けにご当地ポッキーや八ツ橋を大学に持ってきたものだ。
だが在来線車内で性犯罪に巻き込まれたり、クレーマー対応を求められるなど、車内販売スタッフには逆風が吹き続け、しかも苦労に見合わず時給は現在1000円からと、下がる一方。それでは人手不足にもなるだろう。
子供に買い与えれば、東海道・山陽新幹線車内で黙々とアイスと格闘、黙らせることができた、子供連れの救世主だったのだ。あの硬さと人件費を確保するため、車内販売は500円(現在は自販機でバニラ340円、ずんだ400円、ストロベリー380円、チョコレート400円)にしても、乗客から苦情は出ないのではなかろうか。
(那須優子)