「増税メガネ」とは、8月下旬から岸田文雄総理につけられ、トレンドワードにもなったアダ名だ。当の本人は国民にそう呼ばれていることを、最近になって気にし始めたようで、「ではレーシックでもすればいいのか」と不満を漏らしたのだと、官邸関係者が明かしている。レーシックは視力矯正のための手術のことだ。
そこで新たなトレンドワードとなっているのが「増税クソレーシック」という新たにつけられたアダ名だった。「増税メガネ」からさらにパワーアップしてしまい、岸田総理のボヤきは完全に裏目に出た形である。
ところが岸田総理の「レーシックでもすればいいのか」はおかしいと、都内眼科医が苦笑しながら言う。
「なぜなら、もう年齢的にレーシック手術をするのは厳しいからです」
どういうことかといえば、
「一般的に、いわゆる老眼といわれる遠視が入ってしまう年齢では、レーシックはなかなかできません。個人差がありますが、遠視は40歳を過ぎたあたりから現れる人が多い。近視を矯正したいなら、もっと若い段階でやらないと。レーシックは角膜を削って本来の屈折力を変える手術なのですが、遠視にはほとんど対応していない。遠視がある場合にレーシックをやると、術後の見え方が人によりますが、なんともいえず。結局は近いところを見るのにメガネをかけないといけない、ということになりかねません」
それでもレーシックをやりたい場合は、目にレンズを埋め込むICLという手術がある。こちらは角膜を削らないので、見え方に問題が出た場合、取り外すことも可能となる。
不名誉なアダ名を消すには「減税メガネ」の称号を得るのが一番なのだが、自民党内では月内に取りまとめる政府の経済対策で、減税措置が検討されている。
(小津うゆ)