読売グループが巨人・原辰徳前監督に、巧妙な罠を仕掛けた。阿部慎之助新監督のバックアップとして高橋由伸元監督が控え、読売グループは巨人を今後10年、阿部・高橋体制で回していく考えだ。そのためには原前監督に「余計なこと」をしてほしくない。原氏は次期WBC監督候補に挙がっているが、読売グループは「阻止」する構えで、
「言葉は悪いが、飼い殺しにするということ。原前監督が難色を示せば、選手出身初のコミッショナー就任までチラつかせるつもりでいる」(球団関係者)
山口寿一オーナーは「オーナー付特別顧問」なる役職に就く原氏について、
「ジャイアンツの伝統、魂を今後に伝えていく役割は、原さん以外にいないと私は思っています」
と話している。この言葉の真意について、読売新聞関係者は、
「身分保障をするので、あくまでも顧問的役割だということです。阿部巨人が不振でも、原待望論が出るような行動は慎んでくれ、ということです」
本来はあと1年の契約がある原氏が来季、契約満了で退任した場合は、そのまま2026年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の監督就任が既定路線。侍ジャパンは井端弘和監督が指揮を執り、11月のアジアプロ野球チャンピオンシップ大会に臨むが、井端監督はあくまで「つなぎ」の暫定監督。WBCには読売グループが参画しており、2026年の本大会では「原監督」で再び世界一を狙いにいくプランだった。
だが仮に原監督で臨んだWBCで好成績を挙げれば、また巨人に原待望論が出る。読売グループは、それだけは避けたい。高橋氏を傷つけるわけにはいかないので、井端監督の後任には工藤公康氏が有力な状況となっている。
「仮に原氏が他球団のユニフォームを着るようなら、原氏の家族のスキャンダルまで抉り出し、読売グループは原叩きに出る可能性もあるというから驚きです」(前出・読売新聞関係者)
原氏が納得すれば、選手出身として初のコミッショナー就任に動く可能性もある。もちろん読売グループの代弁者であり、究極の飼い殺しかもしれないのだが…。
(健田ミナミ)