開幕から一回りの対戦を終え、早くも各チームの明暗が分かれ始めている。「スタートダッシュ失敗」の陰には、シーズン前の思惑を裏切る大誤算が‥‥。方々で叫ばれている恨み節、怒号、嘲笑のオンパレードをお届けしよう。
大誤算が生まれれば、おのずと迷いが生じる。
セ・リーグの大本命だった巨人も、構想どおりに機能せず、原辰徳監督(56)が浮き足だっているようだ。
今季は、昨オフから阿部慎之助(36)の「一塁専任」を打ち出し、捕手での起用について「99%ない」としていた原監督だったが、相川亮二(38)が肉離れで戦列を離れると、たった7試合目で阿部にマスクをかぶらせたのである。予防線を張っていた「1%の緊急事態」に直面したというわけだ。
「今季は育成含みで小林誠司(25)を正捕手に据え、相川はあくまでサポート役の位置づけだったはず。ナインも口々に言ってますが、2番手捕手が離脱して、どこが緊急事態なんですかね。阿部自身、『絶対に捕手には戻りませんから』と強い決意で迎えたシーズンだった。相川の故障を受けて、さも阿部から捕手復帰を申し出たかのような話になっていますが、本当はチーム状態が上向かない焦りから原監督が打診したんです。ブレまくる監督を悪者にしないため、キャンプ中からろくに捕手の練習もしてこなかった阿部が泥をかぶりましたね」(球団関係者)
なし崩し的な方針転換は、いずれ相川が復帰しても、「捕手・阿部」の“禁じ手”を継続させるようで、小林は正捕手どころか3番手に降格と言われている。
「原監督はストライク先行のリードを好みますが、小林は様子見で逃げる姿勢を見せがちです。しかも攻めるよう進言しても『はい、はい』と生返事ばかりで、響かない。意思疎通が苦手なため投手陣からも不満が出ているようで、だったら育成を放棄して目先の勝ちを拾おうとなった。球団内から『一貫性がない』との声が出ていますが、原監督は見切りが早いですからね。小林は今回の事態に平静を装っていますが、少しチーム内で浮いている。なぜか大量の香水をつけていて、強烈な香水臭を放っているのもその一因のようです」(日本テレビ関係者)
昨年までは「枢軸」などと持ち上げられていたうちの一人、村田修一(34)も精彩を欠いている。本塁打が出ないどころか、打率1割台に低迷し、与えられた8番という打順でバントのサインに従う日々だ(4月10日現在、以下同)。
「昨年も村田を下位で起用することがありましたが、そのつど、結果を出すものだから、原監督は『修一は俺が注射を打つとすぐ効くからな』と得意げに話していた。その注射も効果が薄れてきたようで、打球が上がらず、上がってもスタンドに届かない村田をすでに見切っているとも言われます。ただ、村田はキャンプで球速160キロの打撃マシンでの練習を執拗にやらされたため、それで調子を落としたようで、『人災だ』との声も出ている。昨年には都内に自宅を新築したばかりなのに、やり玉に上げられ続け、『何で俺ばっかり‥‥』と愚痴をこぼしています」(巨人番記者)
チーム状況が上向かない時には、助っ人の打棒が流れを変えることもある。オープン戦で4番も任されたセペダ(35)には、今季こそ期待したかったがヒット1本すら打てない始末だ。
「原監督はセペダに一発の幻想を追いかけてますよね。確かにオープン戦では覚醒したように打ちましたが、蓋を開けてみれば案の定‥‥。ある主力選手は、“キューバの至宝”を“死砲”と陰で呼び、『いいところで死砲に回ってきちゃうんだよな』などと嘆いています。来日した頃はスペイン語で『オーラ』と挨拶すれば返してくれたチームメイトも、距離を置き始めている。セペダが歩み寄ろうと日本語で『コンニチハ』と話しかけても聞こえない振りをしてるものだから、ポツンと所在なげですね」(球団関係者)