社会

中国“サンゴ密漁船”への反撃シナリオとは?(3)「理性的な対応」=銃撃と撃沈

 こうした中、自民党部会では「自衛隊を出動させるべき」という意見も出ているが、江渡聡徳防衛相(59)は「一義的には海上保安庁と警察で対応することだ」と、出動を否定している。

「政府が慎重な姿勢を続けている裏には、自衛隊を出動させてしまうと、中国に自分たちの国防情報をやすやすと漏らすことになり、国益の観点からすると大きな損失という判断なのかもしれません」(西村氏)

 しかし、このまま無法者をのさばらせておくわけにはいかないのも事実。中国外務省の報道官は「中国の関係当局が引き続き、違法行為の取締りを強めていく」と、表面上は中国としても対応すると表明したうえで、日本に対し「取締りは丁寧に、理性的に行い、事態を適切に処理するよう望む」と注文をつけた。西村氏が続けて憤る。

「理性を持った対処をする、という答えはすなわち、警告したあとの銃撃であり撃沈。当たり前のことですよ。ロシアの場合は領海に入っただけで銃撃ですから。APEC後には日本の対応がガラッと変わる可能性があります」

 元航空幕僚長で、太陽の党代表幹事兼国民運動本部長の田母神俊雄氏も同意見だ。

「相手が人民解放軍ではないから手出しをしない、というのは甘い考えです。今回のようなケースでは、どんな国でも警察や軍隊が出動して銃撃をします。中国の密漁船がロシアに行かないのはなぜだと思いますか。それをやらないから、日本はナメられるのです」

 ある軍事ジャーナリストは、こんな「裏ワザ」も提案するのだ。

「海上保安庁の特殊部隊を出動させ、中国漁船の船底に穴をあけて沈めてしまうのです。『原因不明の事故』が続発するというテイで」

 駆逐シナリオは他にもまだまだある。元海上自衛隊特別警備隊の伊藤祐靖氏によれば、

「法治国家である日本国には『海上警備行動』という制度があります。簡単に説明すると、事態が海上保安庁の許容を超えたと判断された場合には自衛隊が出動できる治安維持の制度です。99年、能登半島沖で起きた、北朝鮮の工作員が乗っていたとされる不審船事件の時、あるいは、04年に中国海軍の原子力潜水艦が日本の領海を潜航した際など、これまでに3度発令されています。海上保安庁だけでは手が回らないという今の状況は、まさに発令すべきタイミングなのです」

カテゴリー: 社会   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
2
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
3
沖縄・那覇「夜の観光産業」に「深刻異変」せんべろ居酒屋に駆逐されたホステスの嘆き
4
段ボール箱に「Ohtani」…メジャーリーグMVP発表前に「疑惑の写真」流出の「ダメだ、こりゃ!」
5
巨人が手ぐすね引いて待つ阪神FA大山悠輔が「ファン感謝デー」に登場する「強心臓」