伊藤氏が続ける。
「武器を持っている可能性がある200隻以上の船団といっても、しょせんは密漁船です。日本の自衛隊が出動すれば、すぐに追い払うことはできる。ニューヨークヤンキースのマー君がリトルリーグの打者を相手にするようなものですよ」
こうした状況下、永田町でも国際法に基づく領域警備の法整備などが議論されている。田母神氏は具体的な一斉掃討シナリオについて踏み込んで言う。
「尖閣諸島に関しては1年半も領海侵犯を許し続けています。日本の海だというのに日本の船が操業できずに、中国の船が我が物顔で操業しているのはまったくおかしなことです。このまま日本政府が静観の姿勢を見せるのなら、小笠原諸島、伊豆諸島近海でも同様の事態が続くかもしれません。もしも私が防衛大臣だったら、直ちに自衛隊を集結させます。そして、言うことを聞かない船は容赦なく撃ちます。自衛隊を集結させる方法はいくらでもありますよ。例えば『軍事演習』とアナウンスすればいいのです。そして大艦隊を出動させて、『演習の一環』として中国船団に向かって威嚇射撃を行う。大艦隊の威力を知った中国船団は、おじけづいて一目散に逃げていくでしょう。日本政府が強硬策に出ないのは、国を守る勇気がないからです」
これ以上ツケ上がらせないためにも、傲慢、厚顔な国家ぐるみの犯罪行為には、もはや実力行使をもって対抗するしかないのである。そして密漁行為そのものについても、
「海上保安庁が現認しなくても(船長らを)拘束して、中国に送り返すことをしないとダメでしょう。そうしないと中国共産党中央から撤収命令が出るまで居座り続けますよ」(野口氏)
こうしている間にも、小笠原諸島近海で堂々と赤サンゴをあさり、日本の国防情報収集に精を出す中国船団。
「台風20号が通過したあとは、伊豆諸島方面に北上しているようです」(佐藤氏)
日本政府は密漁船全船を駆逐する決断を下すことができるのか。こんな弱腰外交を続けてしまえば、情報収集を終えた中国が次に尖閣諸島の急襲作戦に打って出るかもしれないのだ。