過激化する反日行動の背景には、現在の韓国を取り巻く状況があります。
アベノミクスで急激に円安ウォン高に進みました。それ以前の円高で、日本との競合業種が多い韓国は大きな恩恵を受けていました。輸出依存度が高いのでウォン高により輸出がダメになると、国内経済全般がダメになるのです。
朴槿惠大統領は政権誕生直後から支持率が低いところに加え、政権基盤が脆弱です。当初、父=朴正煕元大統領=の時代からつきあいのある古い幹部たちを重用したのですが、そのほとんどがスキャンダルなどで失脚しました。結局、政権内部も敵だらけで裸の女王様に近い状態になっています。
外交上でも問題はあります。現在、韓国と日米の関係は非常によくありません。
韓国は10月10日にアメリカのミサイル構想への参加拒否を宣言しましたが、これは中国にとって、とてもうれしいことです。一方で、朝鮮半島有事における軍事統制権を現在は米軍が持っているのですが、韓国はその返却を求めながら、在韓米軍の駐留を求めています。中国への軍事的接近をちらつかせつつ「韓国のために働け」という要求が、アメリカの逆鱗に触れているのです。
これまで韓国は、緊急時にお金を貸してくれるスワップを日本に頼ってきました。しかし、日本は延長を認めず、韓国は失われたスワップ額を中国に頼っている状況です。
たまった国内の不満を朴大統領は、どこかに持っていかなければならないのです。こうした中で、世論を抑え込むには、反日しかないのです。長い反日教育の結果でもありますが、韓国は反日を掲げると支持率が上がるからです。その一環で、慰安婦像などを外国に建てて問題をアピールしています。しかし、自分の庭先に売春婦の像を建てられて喜ぶ人はいません。中国・韓国人は、文化進出する時に、その地域に自分たちの区域──コリアタウンを作ってしまうので、世界中から嫌われているのです。
本来、慰安婦問題は65年に「完全かつ最終的」に解決されています。慰安婦への賠償は韓国政府が一切負うということになっているのです。ここで日本から賠償金を取れば、この義務を韓国政府としては果たさないで済む。同時に国民に対して日本政府から金を取ったとアピールができる二重の効果があります。慰安婦問題は韓国にとって大きな政治カードになっているのです。
韓国は国際経済・軍事両面で中国に接近しており、感情面も含めて自由主義社会の中で孤立を深めているのが現実でしょう。日本は、国際社会にこの問題が「解決済み」であることを告知することを繰り返すだけでいいのです。