小笠原諸島近海などに大挙して押し寄せ、我が物顔でサンゴの密漁を続けている無法国家・中国の漁船団。海上保安庁の多くの警備をあざ笑うかのような挑発行為に、国民は怒り心頭だ。密漁の裏に隠された「本当の目的」も浮上する中、全船を一斉駆逐する反撃シナリオを公開する。
9月15日17隻、9月23日25隻、10月1日42隻、10月13日46隻、10月14日31隻、10月20日24隻、10月21日51隻、10月23日113隻、10月26日102隻、10月30日212隻──。
この数字は、海上保安庁の発表による小笠原諸島、伊豆諸島沖でサンゴの密漁を公然と繰り返す中国漁船の数である。
「台風20号の接近に伴い、大半の中国漁船が小笠原南東の領海外に退去していました。しかし、通過した直後から再び191隻が近海に戻りつつあります。そのため、現在も大型巡視船や航空機を現地に派遣するなど、24時間態勢で監視を行っています」(海上保安庁報道担当者)
中国密漁漁船団の存在は、7月中頃にはすでに確認されていたという。小笠原島漁業協同組合の佐藤匡男総務部長がその脅威を語ってくれた。
「連中は悪びれる様子もなく、我が物顔で漁場に集団で停泊しているので、周辺での漁ができない状態が続いています。しかも強度の高いナイロン製の大きな網で海底のサンゴを根こそぎすくい取っていく漁法。そのため魚の産卵場所や稚魚の住みかなどが壊滅され、漁場は枯渇状態になっている。元どおりになるには何十年かかるか。漁業組合には30代、40代の若い漁師が多いので、みんなが将来に大きな不安を抱いていますよ」
領海侵犯により窃盗、強奪を繰り返す無法集団の大半は浙江省や福建省から襲来しているという。
「近年、中国では赤サンゴは『宝石サンゴ』と呼ばれ、装飾品や漢方薬の原材料として需要があり、価格も急騰しています。昨年、ある中国人漁師が赤サンゴ漁で2億元(約37億円)の大金を手にしたことで、密漁が頻発。当初は台湾や沖縄近海で行われていましたが、過度の密漁で赤サンゴが減少。小笠原諸島、伊豆諸島沖が新たな標的になったのです」(上海駐在の大手商社マン)
11年には韓国の排他的経済水域(EEZ)内で中国漁船の乗組員が韓国海洋警察官をナイフで刺殺する事件も起きているが、今回の密漁団も日本人漁師に対して威嚇行為を繰り返しているという。佐藤氏が説明する。
「こちらは10トン以下で全長20メートルにも満たない漁船なのに、向こうは200トンくらいで、全長も50メートル近い。地元漁師がメカジキ漁をしていたら突然、赤い中国国旗を掲げた漁船がじわじわとスピードを上げて、相手の船員の顔が確認できるくらいまでの近距離に接近してきました。別の漁師からは、20隻ほどの中国船団と鉢合わせし、その中の1隻が投光器を点滅させながら近づいてきたという報告も受けています。我々が漁を取りやめたり航路を変更したり、危険に巻き込まれないように泣き寝入りをするしかない状態なのです」
だが、密漁団の「本当の目的」は別にある、と断じるのは、中国問題の研究・提言機関「新外交フォーラム」の野口東秀代表である。
「密漁船の中には操業していない船がある。数十から100隻を超える船団になると、公安、軍、民兵が乗っている船があり、彼らが『現場監督』として統率しているのです」