テリー ご主人が大動脈瘤〈りゅう〉破裂で亡くなられたという状況は、大変だったでしょう。おうちの中だし。
寺田 はい。バスルームで倒れたんですけど、2日ぐらい前から「すごく体調が悪い」とは言っていたんです。
テリー お酒は飲むほうだったの?
寺田 飲みますけど、その大好きなお酒も飲まないくらい具合が悪かった。土日だったので休んではいたんですが、月曜日の朝に「やっぱり病院へ行ったら?」と言ったら、「いや、頑張るしかないよ」と返事をして、シャワー室に向かったんですね。
テリー 「仕事があるから、病院なんか行ってられない」と。
寺田 本人が言うなら大丈夫だろうなと思って、私はバスルームの隣の部屋で片づけものをして、掃除機をかけていたんです。そしたら、突然すごい声が聞こえて‥‥。
テリー 「アアーッ」とか?
寺田 断末魔の叫びだったのか、それとも私を呼んだのか。私は呼ばれたと思ったので「なあに?」と手を休めたとたんに、倒れる音がして。
テリー 怖いね。
寺田 お風呂で滑っちゃったのかなと思って、慌てて行ったら、うちのお風呂場は透明のガラスで中が見えるんですけど、ちょうどドアのところに倒れていて、開かないんです。
テリー ああ、向こう側に押すタイプのドアだから。
寺田 どうしても開かなくて、これは大変なことだと思って救急車に電話したんですけど、動転していて、番号もわからなかったですね。もうパニック状態で。どうにかつながって「救急ですか、消防ですか」と聞かれても「倒れたんです!」って、それしか言えない。
テリー そういう時って、住所もなかなか言えないよね。どれくらいで来てくれたんですか。
寺田 長く感じましたけど、たぶん10分か15分。私のほうが呼吸困難な状態で、「落ち着いて」って救急隊員の方に私が介護されちゃうくらいでした。
テリー ご主人は運ばれていく時に、意識はまだあったんですか?
寺田 その時、もう心肺停止の状態でした。
テリー 短い間の出来事でしたね。
寺田 何が起こってるのか自分でもわからない。「人ってこんなに簡単に亡くなるのか」っていうことが、すごく怖かったですね。だって、その5分くらい前には「じゃあ、頑張ってくるよ」と普通に会話してたんですから。
テリー 娘さんたちとはどんな会話をしたんですか。
寺田 娘たちのほうがしっかりしていましたね。上の子が、下の子の面倒をよく見てくれて。