ベストセラー作家の百田尚樹氏とジャーナリスト・有本香氏が結成した「日本保守党」は10月17日、設立記者会見を都内で開き、百田氏が代表に就くとともに、名古屋市の河村たかし市長が共同代表に就任したと明らかにした。
大村秀章愛知県知事のリコール(解職請求)問題を巡るトラブルで河村市長と「絶交宣言」した美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長は直ちにX(旧Twitter)で、次のように投稿した。
〈僕は義理と筋を違えた人情のない友達とは絶交します。バッサリ。さようなら。なう。〉
記者会見に同席した河村市長は、
「市長はずっと続けなきゃいかんもんで、自分自身についてはちょっと待っていただきたい。衆院選に出るのか、市長を続けるのかと」
百田氏も今後の選挙戦略について、次期衆院選がいつになるかによって変わるとして、踏み込んだ発言はなかった。
大村知事へのリコール署名活動は、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の展示内容への批判をきっかけに始まった。高須氏は署名活動団体の代表だったが、大量の署名が偽造されていた疑いが浮上。「応援団」として参加していた河村市長側は、2021年4月の名古屋市長選でのイメージダウンを恐れ、高須氏と距離を置いた。
こうした河村市長の対応に、高須氏は運動の発案者について「間違いなく河村市長」とした上で、
「市長選を控えていたとはいえ、『自分ではない』などとうそを言うのは許せない」
と批判していた。
リコール運動の活動団体の設立会見では、高須氏と並んで百田氏や有本氏が同席していた。すでに高須氏は河村市長とは絶交しているため、今回の投稿は河村市長との連携を決めた百田氏や有本氏に対しても「絶交宣言」をしたと受け取られる。
百田氏、河村市長ともに自己主張が強いキャラだけに、どこまで共同代表制が続くのか、疑問視する声が早くも出ている。会見場には空席が目立つなど、初日から波乱の船出となったのである。
(喜多長夫/政治ジャーナリスト)